約20年前に当時小学2年生の息子を連れ、シングルマザーとなって上京してきた私達親子は、京都というよりも、関西の風習が東京の子どもたちや担任に受け入れてもらえずに、少しの間息子は、「クラスでのいじめ」を耐えました。
息子の様子がおかしいことに気づいた私は、担任に電話をしてことの真相を知りました。
担任曰く「岡田君はストレスが多くとても暴力的で私は理解できない、その原因は家庭にあるのではないでしょうか?」といわれたのです。
環境の違う東京で、親の私のほうが仕事や生活に追われ必死の中、担任の言葉により地獄に突き落とされました。
同時に「なぜ学校で上手く友達と付き合えないのか?」と息子を責めました。
親に責められ、学校では理解されずにいじめられる息子は、さぞ辛かったことでしょう。
そんな中、運動会がありここで「いじめの原因」を突き止めなければ、私達親子はだめになると思った私は、必死で息子の姿を追いかけて、友人達との関係を観察しました。
そこでいじめの原因はわかったものの、あまりにも意外な事実に大変驚き、また言い知れぬ恐怖を感じました。
というのは、関西人の風習(他人を喜ばせる)が東京では全く受け入れられずに、反対に「狂っている息子」と、担任をはじめ子どもたちにインプットされていたのです。
息子に限らず関西人は、漫才師のように話しが盛り上がると、それ以上に楽しくその場を盛り上げるために、面白い話をするのは勿論、人を軽く叩いたり、他人の体に軽く触れて、コミニュケーションをとろうとします。
ところが当時の息子は、関西弁ではなくそれを標準語の話し方でやってしまったことで、「いじめの対象者」になってしまったのです。
息子にしてみたら、標準語はクラスの皆と仲良くなりたいための、何のことはない、当然の振る舞いでした。
でも、自分達と同じ言葉を使い、人を叩く息子のその行動は、周りにはクラスの担任も含めて理解できず、「狂っている子ども」というレッテルを貼られてしまったのです。
そんな息子を救うために当時の私は、勇気を持って子どもたちの間に入っていって、その理由をきちんと説明し「関西人ののり」がとても楽しいことを子どもたちに体験してもらったおかげで、「いじめ」は沈下しました。
また同時に、私自身も子どもたちの親になじめず、親達との距離も大きかったのですが、それ以来、皆さんが私を理解してくださって、良い人間関係を築く事ができました。
この様に、理由は本当に些細な、「親の無意識の習慣の違い」ということが起因しているだけであっても、放っておけば、その火種がますます大きくなってしまうことになりかねません。
当時すでに「中学生のいじめによる自殺」http://kangaeru.s59.xrea.com/jisatu.htm
が少しづつニュースでも報道されるようになっており、強い危機感を感じた私は、一日も早く私の体験を伝えて、自殺を食い止めたいと思ったのです。
その思いがきっかけとなり、私は多くのいじめで苦しむ親と子どもを自殺から救うために「いじめ・虐待防止の市民活動団体・サークルダルメシアン」を立ち上げたのです。
いじめられている子どもの親は、何らかの形で自分の子どもに異変が起こっているのに気が付いています。
また子どもも、親に心配をかけたくないと思いながらも、それなりにメッセージを送っています。
それに勇気を出して対応、解決への第一歩を踏む出せるのは、親しかないのです。
教育関係者の皆さまにも再三、私の体験を伝えてまいりましたが、悲しいかな事件が起こらないと真相をみないというのが今の日本社会です。
いわゆる「火中の栗を拾う」ようなことをわざわざしたくない!そこに問題があるのでしょう。
人を救うということは、大変な「勇気」がいります。
そして人としての内面が強くないと、他人は救えません。
そのことを皆さまに知って欲しいと思います。