ども、続ける岡田達也です。
昨日のつづき。
*
母・秀子さんのB型肝炎が判明し
それに伴い家族全員が血液検査を受けることになり
僕にも「HBs抗原(+)」の反応が出た。
それが11歳のとき。
それは岡田家にとってけっして明るいニュースではなく
秀子さんは我が病気よりも
そちらのことを気に病む様子だったので
子供心に
「これは、きっと、とても用心しないとダメなことなのね」
と思えた。
だけど……
発病していないのだから治療のしようもない。
(これは症状によりけりなので人によって様々です。昨日も書きましたが、もしも健康診断で引っ掛かった場合は必ず再検査を受けてくださいね)
僕の場合、大事だったのは
“発病しないように努める”ことと
“半年から1年ごとに血液検査を受けて数値の変化を観察すること”だったので
そこは、母とお医者さんの言うことをちゃんと聞き
定期的な血液検査を受けることにした。
*
中学生になり
高校生になり
大学生になり
サラリーマンになり
キャラメルボックスに入団し
中身はともかく
僕はどんどん大人になった。
(……肝臓よりもそっちが問題じゃないのか)
その間
検査をサボらずにやってきたのだけどーー
2013年
胃潰瘍が見つかって治療し終わったとき
担当してくださった内科の先生が
「岡田さん、ずっと肝炎の検査をされてるんですよね? 今度、もう少ししっかりした精密検査を受けてみませんか? 医療は進化してます。以前よりも詳しい検査もできると思うので」
と声をかけてくれた。
ちょっと面倒な気もしたけど
母に相談したところ
「是非、受けてほしい」
とのことだったので
紹介状を書いてもらい
僕は大学病院に行くことにした。
*
「病気に“絶対”はありません。だから約束はできません。ですが、岡田さんの場合、普通に暮らしているかぎりは、もう発病しないと思ってて大丈夫です」
わっ
そうなんですか?
だとしたら
秀子さんがさぞ喜ぶだろうなぁ……
先生は細かい数値を説明してくれた後
僕の頭でもわかるように解説してくれた。
「人の体というのはウィルスを見つけた場合、当然、それをやっつけようとして闘います。ウィルスは悪さをしようとしますからね、体はそれを抑え込もうとする。どんな病気でもその闘いです」
「はい」
「そして、それが発病に繋がるわけです」
「なるほど」
「岡田さんの場合、先天性ということもあってーー」
「ええ」
「体が、ウィルスを外敵として認識しなかったんでしょうね」
「え?」
「そもそも体内に存在してたのだから、体が“元々あるもの”として認識してしまったんです。つまり、共存してきたんですね。」
「共存共栄ってことでーー」
「違います」
先生は、ここだけ、きちんと、食い気味で答えてくれた。
「共栄したら困るでしょ?」
「……すみません」
「約束はできませんが安心してください。それと、これからも定期的に検査は受けてくださいね」
「はい」
「良かったですね。スーパーな体を持ってて」
*
病院の玄関を出て
すぐに母に電話した。
秀子さんは、それはそれは喜んでーー
というか安心してくれた。
30年の間
ずっとずっと心の隅にあった心配事だったんだろう。
なんだか
肝炎のことよりも
秀子さんの肩の荷が下りたことのほうが
僕にはホッとできた。
* *
誰だってそうだろうけど
健康であること
健康でいられることがいかに大切か
僕も知っているつもりだ。
だから
ずっと検査をしているし
これからも続ける。
今、世の中は大変なことになってるけど
次にみなさんに会えるときまで元気でいられるように頑張っていこうと思う。
みなさんも元気でいられますように。
では、また。