ども、父に負けずに暑がりの岡田達也です。

 

 

 

 

 

祖母・愛子さんが、いつも孫たちに言っていた。

 

「ずっと扇風機に当たっていると死ぬよ!」と。

 

実際に検証したことがないので

それが事実かどうかはわからないけど

一晩、扇風機を回して寝たときは

生きて朝を迎えることができた。

 

 *

 

祖母・愛子さんが、いつも孫たちに言っていた。

 

「扇風機よりもクーラーの方がもっと体に悪い!」

「クーラーにずっと当たっていると死ぬよ!」と。

 

実際に試したことがないので

それが事実かどうかはわからないけど

温暖化が進んだ現代では

クーラーがなければかなりキツい。

 

 

おばあちゃんは明治34年(1901年)生まれ。

 

この年代の人の中には

愛子さんと同じ考え方の人が多かった。

 

そして

その言葉は

不思議な説得力を伴って

僕たちの心に刻まれたものだった。

 

 *

 

ところで

 

人はどれくらいクーラーに当たっていられるのだろう?

 

 * * *

 

父・隆夫さんがブツブツと文句を言っていた。

 

なんだろう?

耳を傾けてみた。

 

「『ワールドカップ』(行きつけのパチンコ屋さん)がなぁ、ちょいちょいクーラーを切りよるだが」

 

え?

クーラーを切る?

パチンコ屋がそんなことするのだろうか?

 

「たぶん電気の節約だと思うけど。しばらくクーラー入れて、店の中が冷えたら切って、の繰り返しでなぁ。暑くてたまらんわいや!」

 

この人は暑さにめっぽう弱い。

口癖は「暑くて死ぬ」だ。

 

「でなぁ、こんな団扇を配りよるだが!」

 

そう言ってお店の名前が入った団扇を見せてきた。

 

「俺はなぁ! 左手でこんなもの仰ぎながら、右手でハンドル回すなんてできんわい!」

 

……そんなに怒らなくても

 

「クーラーを入れんなんて信じられん!」

 

僕は、ため息をつきたかった。

 

だが、心を奮い立たせ、一言だけ言った。

 

「だったら行かなきゃいいんじゃないの? うちにいればクーラー効いてるわけだし、お金も出ていかないし」

 

「……」

 

気まずい沈黙が訪れた。

 

 

僕はやるせなくなり

何気なくその団扇を手に取った。

 

!!!

 

裏面を見て驚いた。

 

そこにはマッキーでこんなことが書かれていた。

 

 

なんて自分の欲に正直な人なんだ……

 

 *

 

神様

 

父親を替えてくれとは言いません

せめて、もう少しだけ品行方正にならないものでしょうか?

 

 

 

 

 

では、また。