ども、小言親父こと岡田達也です。
稽古の後、『餃子の王将』に行った。
今、王将は素晴らしい。
いや、昔からそのポテンシャルは高かった。
が、今はさらに「JSM」(ジャストサイズメニュー)という、小盛りのラインナップが加わっていて、こいつが実に素晴らしいのだ。
当然、普通のメニューよりも安く、気軽に頼める。
これは一人でいろいろ食べたい人や、もう少し何か食べたいなぁというときの大きな味方だ。
餃子をつまみながらJSMの何を注文しようか悩んでいると、
(この悩む時間が至福の時でもある)
隣の若いカップルに料理が提供された。
男の子が餃子とライスを食べ始めた。
その姿に、ちょっとした違和感を覚えた。
ん?
何かが引っかかるぞ……
ちら見した。
男の子の左手はだらりとテーブルの下に下がったまま
右手一本で
顔を食器に近付けて餃子やライスを食べている。
いわゆる「犬食い」というやつだ。
オマケにお箸はちゃんと持てていない。
……
……
余計なお世話だろうが何だろうが言わせてもらおう。
私は昭和の人間だ。
きみ、きみ、きみ!
そのナヨッとした青年よ!
茶碗を持って食べろと教わらなかったのか!
最初は、ひょっとしてケガでもしてるのかな?と思ったけど、そのテーブルの下の左手はちょいちょい太ももとか膝とかをボリボリ掻いてるし、ちゃんと使えるじゃねーか!
食べ物は口に運ぶものであって、口を食べ物に寄せるんじゃないよ!
寄せて良いのは、表面張力いっぱいまで入れてくれた日本酒をすするときだけだよ!
オマケに何だ、その握り箸は!
まったく箸が開いてないじゃないか!
餃子を箸で挿すんじゃないよ!
餃子はつまむもんだよ!
つーか、その食べ方するなら、箸じゃなくて太い串とか削った丸太とかでいいじゃねーか!
……って、心の中で思ったけど、さすがに言えないなぁ
*
小学6年生のとき。
母親・秀子さんが言った。
「放っておいたら直るかと思っていたけど、その気配がないから言うね。お箸の持ち方が間違っているから中学に入るまでに直しなさい」
およっ!
そうなのか?
知らなかったぞ!
僕の持ち方は“親指が跳ねているのに箸は開く”という不思議な持ち方だった。
それで不自由しなかったので気にならなかったのだ。
というか、お母さん、それならそうと早く言ってよ。
この歳で直すのは逆に大変だよ。
僕は一ヶ月ほどかかって、やっと正しく、自由に箸を扱えるようになった。
そのときに、秀子さんが言った。
「不思議なもので、お箸がちゃんと持ててなかったり、茶碗を持たなかったりすると、見ていてご飯が美味しそうに見えないの。覚えておいてね」
刷り込みとは恐ろしいもので、この母親の教育は僕の脳内に染みてしまった。
おかげで、グルメ番組などでリポーターの人が箸をちゃんと持ててないと気になってしょうがない体になってしまった。
後輩の小多田直樹は普段はキレイに食べるのに、酔っ払うと犬食いを始める傾向がある。
何度か張っ倒してやったが、その瞬間は酔っ払っているのできっと覚えていないだろう。
次に犬食いしたら首輪をしてリードを繋げてやろうと思う。
*
僕が食べることが大好きだからだろうか?
ちゃんとして食べている人を見ると、こちらの気持ちも良くなる。
青年よ
押し付けるわけにもいかないけど、
茶碗を持ったり、お箸を正しく使えることで、けっして損はしないと思うよ。
いつか気付けるといいね。
では、また。