今週から大学の授業が始まり、東京-大阪を往復する生活がまた始まりました。大阪経済大学で教鞭をとるようになって、早いもので12年目を迎えました。

毎年のことですが、新学期のキャンパスは新入生を勧誘するサークルの出店や楽しそうに談笑する学生であふれ、華やいだ雰囲気と独特の緊張感に包まれています。この光景を眺めていると、こちらもあらためて新鮮な気持ちになります。大阪では今年の桜の開花が遅かったため、キャンパス沿いにある桜並木はまだ満開に近い状態を保っており、例年以上に新学期気分を味わうことができました。

 

 

 大学では社会人大学院(修士課程)と経済学部で授業を担当していますが、いずれも日々報道されている経済ニュースを題材にして現実の経済、つまり「生きた経済」の理解を深めることを目的とした授業です。経済学部では14年の全学年の学生を対象に基本的な内容を、社会人大学院では世界経済の動きと企業戦略・ビジネスの関わりについて理論的に深められるような内容をめざしています。

 経済の動きは複雑で変化も早く、理解するのが難しくなっています。世の中には「経済は苦手」という人も少なくありません。しかし本当は経済とはきわめて身近なものなのです。どこに就職するか、仕事で成果を出したい、買い物をどうするか、たまには旅行に行きたい――それら日常生活のすべてが経済活動なのです。遠い世界の出来事に見えるようなニュースが、自分たちの仕事や生活と直接間接につながっていることが多いのです。

したがって、そのつながりが見えてくると「経済は面白い」と感じることができるようになりますし、そうした経済の仕組みを理解することは仕事や生活に大いに役立ちます。大学での授業は、まさにそれをめざしています。学部の学生には、生きた経済をしっかり学んで社会に巣立ってほしいと思いますし、社会人大学院の授業が受講生の仕事やキャリアアップにつながることを期待しています。大学でまいた種が、社会で少しでも多くの花を開かせることを願っています。