皆さん、こんにちは!

今回、オフィシャルブログを開設しました。

日ごろ、日本経済と世界経済を取材しながら、メディアを通じて経済評論活動をしていますが、このブログでは取材のこぼれ話や仕事で感じたことなどをつづっていきたいと思っています。ぜひご愛読ください。

 

1回の今日は、大詰めを迎えた米大統領選についてです。各メディアが報道しているように、10月に入ってトランプ候補(共和党)のスキャンダル続出で、クリントン氏が優勢に立ったと思われたのも束の間、クリントン氏のメール問題でFBIが再捜査すると発表したことから、再びトランプ氏が急追しています。もともと今回の大統領選は「消去法で選ばれる」と言われるように、史上まれに見る低次元の戦いで、どちらが大統領になっても前途多難です。

今回の選挙戦を見ていて、2000年の大統領選を思い出しました。私は当時テレビ東京のニューヨークに駐在していたのですが、今回出馬しているヒラリー・クリントン氏の夫であるビル・クリントン大統領が2期務めた後、民主党はその後継者として副大統領だったゴア氏、共和党はジョージ・W・ブッシュ氏が争いました。

ビル・クリントン大統領は就任当初は大変な人気でしたが、2期目の後半は不倫スキャンダルまみれになって支持が急落していたため、その影響もあって後継者であるゴア氏の人気も今一つ盛り上がりませんでした。しかし対抗馬のブッシュ氏も父親がブッシュ元大統領で、「二世」イメージであまり人気がありませんでした。両候補とも人気がなく大接戦になったという点では、今回と似ていると言えます。

しかも2000年の選挙当日、開票でも予想以上のますます大接戦となりました。米のテレビ局が「ブッシュ当確」「ゴア当確」との報道が入り乱れるという状態で、私たち日本のメディアも振り回されました。特にフロリダ州の開票で疑問票が多数出たことから長期間にわたって当選者が確定せず、ようやく1カ月後に「ブッシュ当選」で確定するという混乱ぶりでした。

この時は開票前からフロリダが焦点でしたので、テレビ東京をはじめ日本のテレビ各局は記者とカメラクルーをフロリダに派遣していました。ところが何日経っても票が確定しないため、結局1カ月間も現地に張り付かざるを得なくなってしまいました。私はテレビ東京の米国責任者を務めていましたので、その分の通常の取材のやり繰りや出張経費の想定外の出費に頭を悩ましたことが昨日のように思い出されます。

今回も大接戦ですし、トランプ氏は本気かどうかわかりませんが、「選挙に不正がある」などと主張していますので、負けても素直に負けを認めないかもしれません。一方、クリントン氏も選挙戦終盤に至ってFBIが捜査を再開したことを批判していますので、もし負けるようなことがあれば選挙後にも尾を引く可能性がありそうです。

いずれにしても前代未聞の大統領選の投票日まであと1週間です。