【店舗情報】
電話:055-931-1286
フリーダイヤル 0120-298304
住所:静岡県沼津市市場町13-4
営業：11:30～14:00、 17:00～20:00
定休：月曜日
駐車場：あり
出前、お持ち帰り可
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美味しい鰻をいただきたくなり、冨久家さんへ。
今年で創業８１年だそうです。
鰻も本当に、お人により好みがいろいろですね。
お店はたくさんありますが、それぞれ常連さんがいらして仲良く共存できますのは、
とても素敵なことだと思います。
うな重・並
焼きや風味は繁乃家さんが好みですが（素晴らしい香り・風味で、初めてたいただいた時驚きました）、
タレは、甘さ控えめですっきりとした冨久家さんが好みです。
芳ばしい香りとふわとろの味わい。
１年ほど前まで鰻に全く興味がありませんでしたのに、味覚や好みの変化は面白いものです。
長いお付き合いの問屋さんから仕入れる国産鰻を、
敷地内の井戸水を使い、２～３日立て場でしめるそうです。
それを毎朝割いて、注文を受けてから蒸して、タレを３回つけて焼いていらっしゃるそう。
蒲焼きもとても美味しいですが、きれいな井戸水でしっかりと臭みを抜き、
上質な鰻の旨味が楽しめる白焼きもお勧めで、ファンが多いそうです。
次回は白焼きに決まりです。
昆布と鰹のお出汁がほっとする美味しさの肝吸いです。
肝吸いは「淡い味わい・・」とのコメントも見られますが、しっかりとした香り高い風味と感じました。
お店によってはもっと濃いところもありますので、これも好みですね。
ご飯も、鰻も、お吸い物も、香の物も、一番基本的なやり方を、
毎日丁寧にずっと繰り返しているだけ、とおっしゃっていました。
他のお料理の世界ですが、当たり前のことを当たり前に一切手を抜かずきちんと繰り返すことは、
プロでも大変だと耳にしたことがあります。
当たり前のことを当たり前にきちんとする・・。
そういえばお店に入ってすぐ、ご主人が焼き場から入口の方へ顔向けられ、
前回も今回も、目を見て笑顔で「いらっしゃいませ」とさわやかにハキハキとご挨拶くださいました。
帰るときも、とても気持ち良く「ありがとうございました」のお声。
こちらこそ、素晴らしいお料理とそれをいただける空間・お時間に心より感謝です。
全てにお心が行き渡っていらっしゃることがわかる場面の一つだと思いました。
・・と申しましても、このようなご対応が可能かどうかは、お店のレイアウト等により、様々です。
このお店は焼き場が入口のすぐ横にあり、ガラスの仕切りにより入口が見えるようになっておりますので、
比較的可能かと思います。
とはいえ、焼きや調理に集中されながら他者の動向にも気を配り続けるというのは、
素人から致しますと、とてつもない世界です。
プロフェッショナルの方々に、改めて敬意を表します。
ご主人は東京の野田岩さんで修行をされたそうです。
野田岩さんも、こってりした甘さではなく、さっぱりと品のある甘味のタレとのこと。
戦時中も大切に守られた冨久家さんのタレを引き継ぎ、育てるため、修行先も吟味されたことが伺えます。
↓そんな冨久屋さんの店内で、私が一番興味を惹かれたのがこちら。
看板なのですが、どうもただの看板ではないような、独特の素晴らしく良い雰囲気。
店内には有名人さんのサイン色紙もたくさんあるのですが、それよりも断然光を放っていました。
お話を伺ったところ、常連のお一人である材木屋の方が、「木の虚（うろ）が鰻に似ているから」とご厚意で作ってくださったそうです。
なるほど納得。
私も「虚が鰻に似ているな・・」と、焼き上がりを待ちながらぼんやり眺めておりましたので、膝を打ちました。
鰻が好き、このお店が好き、プレゼントしたらきっと喜ぶだろう・・・という純粋な思いから創られた看板だったのですね。
愛されているお店の素晴らしさを垣間見た思いです。
最高の勲章ですね。
↓ひょっとしたら、この樺細工のように美しい保護材も、同じ常連さんの手によるものかもしれません。
美しさに見惚れ、思わずパチリ。
この壁の保護材も、独特の美しさ、存在感を放っていました。
↓壁にかけられた鰻を採るための仕掛け「もじり」
鰻屋さんらしくてこれもいいですね。
煙に燻されほんのり飴色になっています。
今回も素晴らしいうな重を本当にありがとうございました。
次回はぜひ白焼きをいただきに上がりたいと思います。
【店舗情報】
（お写真掲載に関しまして、ご店主様のご了承を頂戴致しております。
ご快諾くださいまして心より感謝申し上げます。）