ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所、マイウイスキー塾に参加。8日の1日目、11時半前に作並駅に到着。送迎バスで出発を待っているとなんと去年の余市蒸留所マイウイスキーづくりで一緒だったAさんが乗車。思わぬ再会にお互いビックリ。楽しい予感がしてきます。まずは蒸溜所内レストラン「赤レンガ」で芋煮定食で腹ごしらえ。

 

 

1時開講、約40分の講義の後、蒸留所を見学しながらの現地講義。創業者竹鶴政孝さんは昭和42年、この清流を飲んで第2の蒸留所をここ宮城峡に決定したとの事。この清流の名は偶然か運命か新川川(にっかわがわ)と言います。

 

 

次に見学したのは日本ではここだけというカフェ式連続蒸留機。連続蒸留機は主にグレーンウイスキーを蒸留するのですがニッカウヰスキーではモルトを蒸留したカフェモルトも作っており商品ではオールモルトなどに使われています。本来、醪塔(左)は精留塔(右)の上にあるのですが高さゆえ並列されています。それでも階数にして4階分!

 

 

カフェ式蒸留機の興奮冷めやらぬままキルン棟、糖化槽、醗酵槽とウイスキーの過程を見学します。ほんのり甘い麦汁にしばし舌鼓、頼りないビールのような醪に複雑な感じがします。この時点では全くウイスキーになるとは想像できません。

 

 

発酵でできた醪は蒸留の行程に進みます。蒸留所見学で一番の醍醐味と言える蒸留釜の見学。宮城峡は真ん中にぽっこり膨らみのある「バルジヘッド型」でスチームで加熱するタイプです。気化したアルコールがこの膨らみの所で対流し、余分な成分が再び釜の中に落ちて行く事によってすっきりしたタイプのアルコールが抽出されるようです。ちなみに余市の方は「ストレートヘッド型」の直火炊きタイプで、どっしりとした重いタイプのアルコールとなります。今回釜の中も覗く事ができたのは収穫でした。

 

 

さて、製麦→糖化→醗酵→蒸留と見てきましたが、今までは人の手により行われる行程。これからは自然の気の向くままじっくりと何年も待つ行程、熟成に移ります。沢山のウイスキーが眠る熟成庫はしんと静まり返り、何かしら神々しい感じが漂います。季節が変わる毎、樽は呼吸しウイスキーに様々な香りや色、味を与えてくれます。お礼にウイスキーは一部を自然に帰します。これを「エンジェルズ・シェア(天使の分け前)」といいます。貯蔵庫に設けられた窓がもしステンドグラスならこれ以上の事はないでしょう。クラシックを流しながら造る日本酒など聞いた事が有りますが、ウイスキーに賛美歌を聴かせたら?とか想像してしまいますね。

 

 

1日目の現地講義を終了し、教室に戻りブレンドウイスキー講義。余市モルト、宮城峡モルト各2種とカフェグレーン1種の計5種類の原酒でオリジナルウイスキーを造ります。まずは原酒をテイスティングし、レシピに沿って標準となるブレンドウイスキーを4種造り、自分の求めるウイスキーのタイプを選びます。それを基準にしてレシピを自分なりに考えて理想のウイスキーを探します。これが意外と難しく少しの割合の違いでイメージから遠のいたり近づいたりします。造ったのはシェリー&スイートタイプをキーモルトにフルーティー&リッチタイプとピーティー&ソルティタイプをほぼ同量に混ぜたピュアモルトにしました。その後、宿泊先の湯の原ホテルで懇親会、1日目終了。