今はどうか知らないが、私が転勤で仙台に住んでいた頃、東京から赴任した者が必ずやることと言えばこけしの蒐集。
鳴子、遠刈田、木地山、弥治郎、肘折、蔵王、・・・・・・
作っている地域で形が違う。
こけし工房を訪ねては買ってきた、
殆ど処分したが記念にいくつか残してある。
ある工房に行ったら80過ぎの耳の遠くなったお爺さんがこけしの絵付けをやっていた。
そのお爺さんを指さししながら、その息子のお嫁さんらしき人が〝もうじき死んじゃうからお買い得ですよ〟と言われて買った。
もう、それがどれだったか分からない。
この版画はギリシャのどっかの島、窓辺を飾るバラの赤と建物の白のコントラストが気に入った。
イタリアの版画家・Salvoという人の作品。
デパートの店員曰く、もう、大分ご高齢です、お買い得と思いますと勧められた。
それから間もなく亡くなった。
今、見たら139/5200とある、5200枚も摺っている。
人事は棺を蓋うて定まるという。
文芸春秋の巻末に〝蓋棺録〟というコーナーがある。
いずれにしても有名人の話、
普通の人間は死んだらすぐ忘れられる、
それでいいのだ。
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