寒いの、雨ばかりのと文句を言っても、
天気ばかりは変えられない。
もう昨日のような寒い日は、これから先ないだろう。
庭のモッコウ薔薇は開花寸前、
今日は、昨日より気温が10℃以上高くなった。
俳句は季語があるから天気は大いに関係がある。
日記も、絵日記を描く子供から文豪に至るまで、その日の天気が最初に書かれる、
しかし、年を取ってくれば、段々、天気以外のことは書かれなくなり、永井荷風の日記の最後は、
祭日。陰。
この祭日は、昭和天皇の誕生日、陰は曇り。
永井荷風の日記・断腸亭日常は、日記文学の傑作と言われている。
1917年(大正 6年)9月16日から、死の前日の1959年(和34年)4月29日まで、激動期の世相とそれらに対する批判を、詩人の季節感と共に綴り、読み物として近代史の資料としても、評価が高い。
昭和三十四(1959)年 80才の荷風は、その日の天気を書いて家にこもっていたわけではない、
毎日、自宅のある千葉の市川から浅草に通っていた。
そこで踊り子たちと歓談するのが楽しみだった。
アリゾナは、現在も浅草にあり、いつもここでお昼を食べた。
ビーフシチューが名物のお店、正式店名はキッチンアリゾナ、以前、食べに行ったら荷風の写真が掲げられていた。
一月一日 雨。正午浅草。高梨氏来話。日本酒を贈らる。雨雪となる。
一月二日 雪後晴天。風なく暖なり。正午浅草に徃きて飯す。午後帰宅。
一月三日 晴。正午浅草アリゾナ。
一月四日 日曜。雨。後に陰。正午浅草。
一月五日 陰。後に晴。正午浅草。
一月六日 晴。正午浅草。帰宅後菅野湯。
一月七日 晴。正午浅草。
一月八日 晴。後に陰。正午浅草。
一月九日 陰。正午浅草。
一月十日 晴。正午浅草。
四月廿九日 祭日。陰。
一月二日 雪後晴天。風なく暖なり。正午浅草に徃きて飯す。午後帰宅。
一月三日 晴。正午浅草アリゾナ。
一月四日 日曜。雨。後に陰。正午浅草。
一月五日 陰。後に晴。正午浅草。
一月六日 晴。正午浅草。帰宅後菅野湯。
一月七日 晴。正午浅草。
一月八日 晴。後に陰。正午浅草。
一月九日 陰。正午浅草。
一月十日 晴。正午浅草。
四月廿九日 祭日。陰。
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