アルベロベッロ | 老$の徒然草

老$の徒然草

老$の徒然草 
もうじき80歳、ブログはボケ防止の頭の体操
This blog is essays in idleness by Oidoru and a trivia expert monologue.      

小さな村小さな村の物語イタリア第142話 三角屋根の家、トゥルッリの村▽語り・三上博史

世界遺産アルベロベッロの隣村。母のドルチェと叔母のパスタ…家族の味が店の伝統。崩れゆくトゥルッリを修復し守る…先人達の知恵が生んだ三角屋根は美しい村の大切な財産   2013.3.16放映
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
$老$(オイドル)の徒然草

いつもと違って今日のは名の知られた村の物語。
南イタリアのプッリャ州のアルベロベッロにあり、キノコのような形のとんがり屋根はトゥルッリという家が集まっている。一つの屋根に平らな石を何層にもつみかさね、一つの屋根に一つの部屋がある。玄関や廊下がないので、ドアをあけるといきなり部屋に入る構造になっている。とんがり屋根がひしめき合う、まるでおとぎの国のような街である。
接着剤に相当するモルタルを使わず何故石が崩れ落ちないか理解できない。アーチの橋と同じような物理学の賜物か。
この村でもパリの石造建築と同じようにそこの土地の地下にある石を使っている。
現在でも補修は自分たちでやっている。この辺が世界遺産として評価されたのではないか。
野外の石造りの土手を造るために自治体から補助金が出るが、建設会社ではなく村人の手作業でやり遂げる。
高山の茅葺屋根の葺き替え、結(ゆい)が思い浮かんだ。

イタリアは、EUの財政危機の信用不安を抱えるPIGSの一員である。最近は少し落ち着いたのかニュースには出てこないが。
イタリア旅行に行った人は、ローマなどの古代遺跡に魅了される一方で街の汚さに吃驚したという話を聞く。

延々と続く小さな村の物語シリーズは、よくネタが尽きないものかと感心する。
今回登場する二家族は菓子商店と酪農家、経営は家族経営だ。人を雇わなかったので今の豊かな生活を享受している。

国の経済が必ずしもうまくいっていないのに、イタリアの地方には豊かな村々がある。それを支えているのは家族だといことをこの番組は教えている。
村のお菓子屋と言ってもメーカー製品ではなく自家製の物を売っている。そのまま青山あたりに出店しても成功しそう。酪農家は牧草地も持っていてそれなりに機械化を進めている。
スーパーもコンビニもなく、衣食住が地産地消、これがイタリアの地方が豊かな理由だろう。

日本は、東北の震災で家族の絆が見直されたが、地方の中小都市はシャッター街が増え、農林水産業も元気がない。子供が都会に出たまま帰らないところは老人ばかり。
イタリアの小さな村は、親子が同居しているわけじゃないが、皆同じ村に生活している。だからしょっちゅう集まって食事会やトランプ遊びを楽しんでいる。そのリビングには重厚な暖炉が設えてある。

日本では、地方の再生に取り組んでいるがなかなかうまくいかない。
街づくりは多くの場合、公共事業の一環として土建行政、所謂ハコモノ中心。農業関係でも土木、林業もスーパー林道なんてのを作ってきた。
この風潮が一寸下火になったが今度は国土強靭化と称して復活しそうだ。

小さな村の物語が受けるのは、日本のそれと違うものがあるからだろう。

<小さな村の物語イタリアの主題歌>

にほんブログ村 シニア日記ブログ 70歳以上へペタしてね
$老$(オイドル)の徒然草