今日は嬉しいご報告を、皆さんに共有させてください。

わたしの夫は、仲間たちとエクマットラという団体を立ち上げ
バングラデシュでずっと、路上生活をする子供たちへの支援活動をしている人ですが
休日にはもう一つの顔があり、野球のナショナルチームの監督をしています。

この国ではクリケットが国民的人気を獲得している中、
野球はというと…みんなルールすら知らない状態。
そんな中、現地語が話せて中・高と野球部だった夫に依頼があり
野球連盟で野球を教え始めたのは10年ほど前からですが
そのようなマイナースポーツに大きなスポンサーがつくわけもなく、ずっとボランティアで教えています。

 

エクマットラも、自分たちで運営をしている自営業のようなものなので、休みらしい休みはそもそもありません。
明日こそ休めるな、と思っていても急に問題が起きて休めないことも多々あり
子どもひとり育てるのも大変なことを想像していただけたら伝わると思うのですが
何十人もこどもがいたら…
それはなにかしら毎日問題は起きます。
そして何十人の子たちを養うだけのお金も、毎月稼がねばなりません。

 

そんな中での貴重な貴重な休日に、早朝に起きて無給で野球を教えに行く夫を、心からすごいなあと、本当に尊敬しながらも
自分の身体も休めてほしい、
休日くらいお家でゆっくりすればよいのに…
と、心のどこかで思ってしまったりもしていました。

でもスポーツが大好きな夫は、練習の後いつも楽しそうに
今日はこんなことがあった、あんなことがあった、と話していて
この国にこそチームワークが必要だ、
それをスポーツを通じて教えたい、
何事も始まりは誰かの情熱がないと動き出さないから、
という言葉たちを聞き
私も応援に覗きに行こうと、ちょうど始めたばかりの頃に見学に行っていました。

そして…練習場に行って愕然としました。
もちろんナショナルチームとはいえ、まだ始まったばかりですから
日本の普通の野球の練習風景くらいを想像していたのですが、
とはいえ、一国の代表チームです。
それなのに、そこにあったのはただの小さな空き地。。。
そして子どもたちは走り回っているし、練習中に野良犬がボールを咥えていってしまうし、ゴミは落ちているしで
なんなら隅っこで人が寝たり、排泄をしていたり…まさにカオスな状態です。

これは本物の草野球だ。。。というか、草もない空き地野球だ。。。


そんな砂埃のものすごい灼熱のグラウンドで泥だらけになりながら
「道具を大事に使えー!!」
「最後まであきらめずに走り抜けー!!」
と、熱血指導している夫と、その夫にわけもわからずなんとかついていこうとしている十数人の初々しいメンバーたちがいて


このチームは一体いつ、ちゃんとした形になるのだろう、と
初めて練習を見に行った日に、期待と不安が入り乱れた気持ちを抱えながら
そう思ったことを覚えています。

 

あれから数年経ち。。。


本当に少しずつですが、選手候補生も増え
本当に少しずつですが、リーグ戦を組めるようになり
在留邦人の日本人チームの方々や、外国人コーチの方々のお力添えもあり
バングラデシュのナショナルチームは初期の頃とは比べ物にならないくらい、本当に強くなりました。

 

途中、人選の問題やスタッフ側の人手不足や資金不足など、たくさんの弊害はありましたが
なんとかかんとか乗り越えてきて…この11月。


夫はバングラデシュのチームメンバーと共に、代表監督として日本で行われた世界野球ソフトボール連盟総会に初出席してきました。
そしてその総会で、なんと正式にバングラデシュ野球チームがWBSCメンバーとして承認されたのです。

 

日本で開かれたWBSC総会で、
バングラデシュが承認されるなんて!と、
夫やバングラ人メンバーも本当に感無量だと、喜んでいました。

始まりの頃、あの空き地の状態を見て、
誰がこんな日が来るなんて想像できたでしょう。

 

でも、夢って そういうものだよなあと
 

どうなるかわからないけど、情熱が生まれて
そこに時間と労力を注ぎ込んだ結果
こうして想像もつかないような大きな夢が現実になる瞬間が、
来たりする。

 

 

夫はあまり自分で自分の苦労を言わない人ですが
よちよち歩きだったバングラデシュ野球がこうして形となったのは
偏に、夫や関係者の皆さんが休日ふらふらになりながら練習を続けて、選手たちを育ててきた成果だと思います。

日本からこの朗報を聞いたときは、わたしも本当に本当に嬉しかったです。
バングラデシュ野球チームの夢は、始まったばかりですが
バングラデシュからこうした素敵なニュースを届けられればいいなと思います!