◆労働契約法の改正(平成254月施行)
 この度改正された労働契約法では有期労働契約についての改正がありました。
①最高裁判例の「雇止め法理」の法定化
②勤続5年超え無期労働契約への転換
③正社員との不合理な違いを禁止
 以上のうち①はすでに施行され、②と③はH254月より施行されます。
 この中で最も実務的影響が大きいのが無期労働契約への転換の対応でしょう。

◆無期転換申し込み権の行使
 改正された労働契約法第181項は、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、無期労働契約に転換させるルールが設けられました。
①同一の事業主との間で締結された2以上の有期労働契約期間を通算した期間が5年を超える有期労働契約者であって
②使用者に契約期間満了日までの間に無期労働契約締結の申し込みをした場合
③使用者はこの申し込みを承諾したものとみなされて、契約期間満了日の翌日から無期労働契約が成立する。とされました。
 しかし、通算される契約期間の計算方法は、有期労働契約をしない一定以上の期間が続いた場合は、その通算期間はリセットされるクーリングも規定されています。クーリング期間は6ヶ月以上とされています。

◆有期労働契約者の労働契約書と就業規則
 今後、有期労働契約者を採用、契約更新する場合には、無期契約への転換も考慮した上で雇用管理しなくてはならないでしょう。つまり雇い入れる有期労働契約者(アルバイト、パート等含む)を無期契約はしない前提で雇用するのか、無期への転換を認める方向で雇用するのか考える必要があるという事です。雇い入れの時点では決定できないと思いますので平成254月以降、通算5年となる前の更新時には無期への申し込みがある事を想定し、無期雇用とするかどうかを決定する必要があるでしょう。
 無期雇用と言っても常に正社員と同じ処遇にしなければならないと言う事ではないのでその違いは労働契約や就業規則等で示しておく事が良いでしょう。
また、有期労働契約者であっても優秀・勤勉な人を引き続き雇用したい場合は通算期間満了前に正社員登用する事も視野に入れておく事も良いでしょう。

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◆解雇予告手当とは
 使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければならない(労働基準法20条)と言う規定により、30日前の予告をしない場合は、30日に不足する平均賃金を支払わなければならない(10日前に予告した場合は、20日分以上の平均賃金を支払う)。この場合に支払われる賃金が解雇予告手当です。
 解雇予告手当は、昭和23年8月18日付の基収第2520号において、「解雇予告手当は労働の対償となる賃金ではないから、必ずしも通貨支払、直接支払などの要件を具備しなくても差し支えないものと解されるが、労働者の予測しない収入の中絶を保護するものであるから、賃金に順ずるものとして通貨で直接支払うよう指導されたい」とのことから賃金ではないので社会保険料や労働保険料の対象にはならないとされてきました。
 また所得税法においては、解雇すなわち退職を原因として一時に支払われるものであるところから賃金(給与所得)ではなく、退職所得に該当することとされています。

◆和解金とは?
 解雇が使用者側と労働者側でもめて裁判になった場合に、双方が合意に達して支払われるのが和解金です。
 和解金に関しては、その和解内容によって取り扱いが異なります。

◆賃金となる場合
 退職時点が使用者側の主張より遅く、それまでの給与相当額で和解した場合や、残業代の未払い分として和解した場合は、賃金となりますので、その分については社会保険料も源泉税もかかってきます。

◆退職金となる場合
 退職時点は使用者側の主張が認められるが、解雇予告手当等として、一時金を支払うことで和解した場合は退職金となりますので、退職所得として課税されます。

◆非課税となる場合
 退職による精神的苦痛に対する慰謝料として支払われた場合は、全く税金はかかってきません。
和解金の場合は、その内容によって取り扱いが異なります。ご留意ください。

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 2011年度税制改正において、国税通則法等が改正され、従来、運用上の取扱いだった税務調査手続きが法律上明確化されました。
 原則として、2013年1月1日以後に開始する調査から適用されますが、国税庁では、事前通知など一部の調査手続きについては、2012年10月1日以後に開始する調査から先行的に取り組んでおります。

 事前通知では、税務当局が実地調査をする場合は、法定化された事前通知事項をあらかじめ通知することになります。
 ただし、その一方で、事前通知を要しない場合(事前通知の例外事由)があることも法律上明確化され、通達にその例外事由が例示されました。
 それは、「違法または不当な行為を容易にし、正確な課税標準等または税額等の把握を困難にするおそれ」があると税務署長が認める場合として、下記が挙げられております。

①法第127条第2号または同条第3号に掲げる行為を行うことを助長することが合理的に推認される場合
②調査の実施を困難にすることを意図し逃亡することが合理的に推認される場合
③調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認される場合
④過去の違法又は不当な行為の発見を困難にする目的で、質問検査等を行う時点において適正な記帳又は書類の適正な記載と保存を行っている状態を作出することが合理的に推認される場合
⑤その使用人その他の従業者若しくは取引先又はその他の第三者に対し、前記①から④までに掲げる行為を行うよう、または調査への協力を控えるよう要請することが合理的に推認される場合

 また「その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」として、
⑥事前通知をすることにより、税務代理人以外の第三者が調査立会いを求め、それにより調査の適正な遂行に支障を及ぼすことが合理的に推認される場合
⑦事前通知を行うため相応の努力をして電話等による連絡を行おうとしたものの、応答を拒否され、または応答がなかった場合
⑧事業実態が不明であるため、実地に臨場した上で確認しないと事前通知先が判明しない等、事前通知を行うことが困難な場合が例示されております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成25年3月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

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