職場に働く人が育児のため休業し、職場に復帰した際、短時間勤務や残業しない場合は、休業前より賃金が下がるケースがあります。このような時に社会保険では、保険料や給付面で本人に不利にならないような制度が設けられています。

◇育児休業等終了時月額変更届
 社会保険の被保険者が育児休業を終了し、復帰した際本人の申し出で、短時間勤務等や残業免除等で休業前に比べて賃金が変動した場合(育休の対象の子を引き続き養育し、3歳未満である場合)報酬変動が随時改定(月額変更届)に該当しない時でも、標準報酬の改定を申し出る事ができます。改定は育児休業終了月の翌日の属する月以後3カ月のうち支給基準日数17日以上の日の平均額を計算します。随時改定と異なり、固定的賃金の変動を伴わない場合や、従前の標準報酬月額との差が1等級であっても適用となります。改定が1月から6月にあった場合はその年の8月まで、7月から12月にあった場合は翌年の8月までが適用とされます。

◇厚生年金養育期間標準報酬月額特例申出書
 3歳未満の子を養育する被保険者又は被保険者であった人で養育期間中の各月の標準報酬月額が養育期間開始月の前月の標準報酬を下回る場合、申し出により、従前の標準報酬で将来の年金額が計算されるような特例措置を受けることができます。添付書類は子の生年月日や本人との身分関係が明らかになる、戸籍抄本等と養育確認のための住民票の写し等が必要です。

◇住民税の徴収猶予
 育休をとる本人の申し出により、休業中の1年以内の期間、一時に納税するのが困難であると市区町村の長が認める場合、その間は徴収免除されます。住民税は復帰後に延滞金とともに納税しますが延滞金は2分の1相当額が免除となっています。(市区町村によっては全額免除の場合も有)


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 2009年度版査察白書によりますと、総額約290億円にのぼる脱税が摘発されました。
 今回は、同白書による目立った脱税の手段・方法の一部を記載いたします。

 不動産業の無申告事例では、Aは、都市部の土地売買取引において、不動産購入者から依頼を受けて所有者との交渉を行ったことにより、多額の業務委託手数料を得ていましたが、国内での申告義務がない海外に居住する不正加担者が不動産購入者の仲介業務を行ったように装って、所得税の申告をせずに、不正資金を海外の投資会社で運用していたケースがありました。
 売上除外では、解体工事を営むB社が、解体工事から発生する鉄くずを買入業者に売却し、本業に付随した収入を得ていましたが、仮名取引を行った上で、現金で受領した代金を申告除外して所得を過少にしていた事例がありました。

 また、個人事業者Cは、証券投資信託の譲渡で多額の利益を得ていましたが、個人事業による所得しか申告せず、譲渡利益を除外して所得を過少にし、不正資金を新たな投資に充てていた事例がありました。
 建設業の架空の原価計上では、設備工事を営むD社は、不正加担者に対して架空の原価を計上して所得を過少に申告していました。
 キャバレー・飲食店の源泉所得税の不納付では、クラブを営むE社は、ホステス報酬から源泉所得税を徴収しながら、実際に支給したホステス報酬金額を過少に記載した報酬一覧表を作成し、これに基づいた過少な源泉所得税のみを納付し、本来納付すべき源泉所得税の大半を納付していませんでした。

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 平成22年10月1日以降、完全支配関係のある法人間で譲渡損益調整資産を移転した場合、その移転により生じた損益は、課税を繰り延べることとなりました。
 読んで字の如くなのですが、意味の解らない言葉が多いので解説します。

◇移転って何?
 移転とは、売買(譲渡)のほか交換や贈与現物出資などが含まれます。

◇譲渡損益調整資産って何?
 譲渡損益調整資産とは、固定資産・土地等有価証券・金銭債権・繰延資産です。
棚卸資産のほか売買目的有価証券と移転直前の帳簿価格が1,000万円未満の資産は除外されます(但し不動産屋さんの土地は除外されません。)

◇課税の繰延って何?
 課税の繰延とは、移転のあったときは課税しませんということです。
課税しませんということは、利益が出たときの話ですが、損が出たときも認めませんということです。

◇ではいつ課税するの?
 その資産が他へ譲渡される他、減価償却されたり、除却されたり等一定の条件に該当したときに、課税します。課税しますとは損も認めますと言うことです。

事例
 ①A社が5億円で買った土地が値下がりしてしまったのでグループ内の法人B社に2億円で買ってもらった。この場合の損3億円は損として認められません。
 ②そのうちB社も資金が必要になり、土地も若干上がったので、C社に3億円で買ってもらいました。
 ③この時点でB社に1億円の利益が出る代わりに、A社の3億円の損が認められます。

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