聴いたライブ
PAT METHENY UNITY GROUP
すみだトリフォニーホール 大ホール
2014年10月10日

パット・メセニー G
クリス・ポッター Sax
ベン・ウィリアムス B
アントニオ・サンチェス D
ジュリオ・カルマッシ P V Hr
ミニ・オーケストリオン Perc


これまで、何度かパット・メセニーのライブに行っているが、今回は、本当に、もっとも心が震えた。


圧巻だった。

演奏の素晴らしさ、音響のよさ、は、もちろんのこと、オーディエンスが良かった!

もちろん、オリジナルのパット・メセニー・グループの持ち味は決して何かによって代替できるものではなく、ユニットとして、それを凌駕しているとは、言わない。

しかし、このユニティ・グループ、確かに、パットのやりたいことができる、という意味では、とても心強いメンバーが揃ったのだな、ということが、実際に聴いてみて、ひしひしと感じた(ミニ・オーケストリオンも、仲間の一人だ)。

実は今回、私は、一つの試みをしていた。

このユニティ・グループの最新アルバム、「KIN(←→)」のCDを今回は聴かずにとっておいて、ライブで最初に聴くことにしたのだ。

はじめて聴くときの印象を、ライブで受け取りたい、と思って、そうしてみた。

その試みには、もちろん不安もあったが、実際には、正解だった。

どんな展開があるのか、どういった形で、マルチプレイヤーであるジュリオ・カルマッシが絡むのか、興味津々で聴けた。

あっと驚く曲の数々、玉手箱か、宝石箱か、葛籠(つづら)か。

ただ、一つだけ、後悔したのは、今回のアルバムにある変拍子をみんなで手拍子するという、例のThe First Circleみたいなことをする曲が2曲もあり、ついてゆけなかったことである。

今、余韻に浸りたいがために、「KIN(←→)」を聴きながらこれを書いているが、このアルバム凄い、感嘆するほかない。

いや~、ライブに行って、聴けて、本当に良かった。

すでに、他の方のブログなどを読んでいれば、知ることができることであるが、この日は、なんと、アンコールが5回(7曲)、1時間近く、何曲も演奏してくれたパットとユニティ・グループには大感謝であるが、加えて、あの会場にいたみなさんにも、本当にお礼を言わねばならない。

実 は、1度目のアンコールでAre You Going With Me?を聴き、2度目のアンコールでギターソロを聴いて満足した一割程のお客さんは、曲が終わったところで、3度目のアンコールを期待する手拍子が鳴りや まないなか、席を離れ、退出しつつあり、会場も明るくなり、終演か、と思いきや・・・

なんと、3度目のアンコールに突入。

ジュリオを除くグループでの演奏。もう、観客は大興奮。

本当に、おなかいっぱいで、ありがたや、ありがたや、と、もう、菩薩をみるかのように、パットたちに、感謝の手拍子。

ところが、パットは、4度目のアンコールに入る。

ソロギターで、2曲。最初は、いくつかの曲を合わせたもの、もう、何が何だか、記憶が飛んでいる。Minuanoではじまり、確か、
Antoniaとかが挟まっていたような。そして、2曲目はAnd I Love Her・。

美しいギターの音色を堪能し、曲が終わる。

音が消えるまで、静かに見守り、そこで、ただただパットに感謝するほかない、という意味での拍手、そして、手拍子。

オーディエンス、素晴らしい。この手拍子は、あくまでも、感謝の手拍子であって、演奏を求めているわけではない。このあたりの気持ちを分かってほしい。

だが、パット、そしてユニティグループは、5度目のアンコール!

だんだん言葉が稚拙になっていることをお許しいただきつつ、とにかく、もう、このとき、この場所で、こうして自分がいられることを、そして、パットたちのよき演奏に心から、あらためて祝福するべく、演奏が終わっても、拍手はまた、手拍子に変わる。

(あと、アンコール回数も、5回と書いたが、7回くらいしたのかもしれない・・・もう、何が何だか分からなくなった)

間違ってもらっては困る。

演奏がもっと聴きたい、ということではないのだ。とにかく、うれしいのだ。

数分の手拍子のあと、ついに、場内アナウンス「本日の公演はこれですべて終了・・・」、照明も明るくなる。

何回めかのアンコールかはさておき、この最後の「お約束」に至ると、急に会場内は、ふと、我にかえり、ぱた、と手拍子をやめ、そそくさと帰路につきはじめる、それが、大半のライブのアンコールというものではなかろうか。

ところが、この日は違った。

手拍子が鳴りやんだあと、アナウンスを聴き、少し、間があり、そして、今度は、喝采の拍手が出たのだ。

ぎりぎりの時間まで、渾身のプレイを見せてくれた、パットに、ありがとう! ユニティ・グループありがとう! みなが、そう言っていたのだ。

いや、言うかわりに、誰もが、拍手をしたのだ。

ああ、美しく、そして、気持ちがよい。

6時半開演のこの日の演奏は、10時少し前まで、延々と続いた。

パットのTシャツは汗まみれ。ごめん、パット!

私たち、観客も、周りの人たちに、笑顔と、ところによっては、涙が、あふれていた。

そんな、たいへん素晴らしい、公演だった。



・・・ところで、「3度泪」と書いた。

まず、Have You Heard?のイントロが流れたところで。まさかこの曲が聴けるとはと、もう、条件反射的に。

2度目は、4度目のソロギターの途中で、ふと。いやー、美しいな、と思って。

3度目は、最後の、オーディエンスによる拍手にて。一緒にいたみなさんにも、拍手をしたくなって。


*音響については、私は1階席左後方にいて、特にアコースティック系の音の良さにしびれたが、エレクトリック系はやや、ときにぼやけたところもあったかもしれない。しかし、他のホールと比べれば雲泥の差で良かったと思う。



セットリスト

*最初の紹介の声がPMGと違っていた
*パットが登場

1 Into The Dream
*ピカソギター
*イマジナリデイより
*ライブのオープニングアクトの定番

*クリス、ベン、アントニオが登場

2 Come And See
3 Roofdog

*ユニティバンドより2曲

4 The Bat
*80/81より
*今は亡き、マイケル・ブレッカー、チャーリー・ヘイデンとの共作(泪)

5 Police People
*ソングXより
*オーネット・コールマンとの共作

6 Two Folk Songs, First
*80/81より
*アコースティックギターをかき鳴らすパット
*巧みにサックスを絡ませるクリス

*メンバー紹介
*ジュリオ・カルマッシが登場
*ミニ・オーケストリオンが登場
*以下、ついにユニティグループの曲へ

7 Kin
*観客、どよめく(キタ!という感じか)
*スクリーンにイメージ映像が流される(不要?)

8 Rise Up
*手拍子第一弾(ベンが誘導)
*再びアコースティックギターをかき鳴らすパット

9 Born
*ここでようやくスローテンポの曲

10 Genealogy
*無茶苦茶難易度が高い曲

11 On Day One
*手拍子掛け合い第二弾(もちろん、ベンが誘導)

*以下、パットが登場し、他のメンバーとデュオ

12 Bright Size Life
*ジャコ・パストリアスとの同名のアルバムより

*ベンがエレクトリックベースに持ち替える
*珍しくパットのギターチューニングが間違っており、その場で直す

13 All The Things You Are?
*スタンダード曲
*クリスとの超絶掛け合い(ため息)

14 Dream Of The Return
*レターフロムホームより

*ジュリオの歌声

15 Go Get It
*スタンダード曲(サン・ジェルマン)
*アントニオの異様なシンコペ・ドラム

*再び、全メンバーが揃い、何を演奏するかと思いきや・・・

16 Have You Heard
*レターフロムホームより
*テンポが速かった

*観客、すでに大興奮
*パットら退場
*拍手、スタンディングオベイション、歓声、手拍子、感涙

*以下、アンコール

17 Are You Going With Me?
*オフランプより
*アンコールにこの曲が!?と、どよめき

18 パットのソロ・メドレー(1)
*バリトンギター
*フェイズダンス(パットメセニーグループより)
 ミヌアノ(スティルライフより)
 ザサンインモントリオール(トリオ99>00より)
 アズイットイズ(スピーキングオブナウより)
 オマハセレブレーション(ブライトサイズライフより)
 アントニア(シークレットストーリーより)
 ラストトレインホーム(ワンクワイエットナイトより)

*ラストトレインホームが流れたので、席を立つ人も
*一部機材も撤収しかかるが、熱狂する観客にこたえてパット登場
*パットに続いて、登場する、クリス、ベン、アントニオ
*観客は半狂乱
*帰りかかった観客は出入り口付近で立ち見

19 The Good Life
*ソングXより

*観客、興奮の坩堝
*ジュリオが出ないまま、アンコールは終わりなのかと思いきや、パットが一人で登場

20 パットのソロ・メドレー(2)
*チャーリー・ヘイデンとのデュオ、ビヨンドザミズーリスカイより
*マイスパニッシュラブソング、ワルツフォールース、ファーストソング

*メドレーで終わらず、さらにもう一曲弾き出すパット
*観客は、もう完全にノックアウト
*すすり鳴き声が各所から

21 And I Love Her
*スタンダード曲(ビートルズ)
*ホワッツイットアールアバウトより

*この曲が、〆であろうと、誰もが思ったが、拍手、手拍子鳴りやまず
*観客の頭には脳内麻薬が出ていたと思われる


22 Breakdealer
*ユニティバンドより
*このときの観客は、もう、夢の中
*だが、まだもう一曲ある

23 Song For Bilbao
*トラベルズより
*ジュリオも入った!
*この曲まで聴けるとは!

*それでも手拍子鳴りやまず・・・


*このセットリストは、主に、オーシャンさんのブログから引用させていただきました。ありがとうございます。

 僕らは音楽に愛されている
 http://getalife.co.jp/music/?p=1589


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・・・ちなみに、以前の、バリトンギターでブルーノートで登場したときにいただいたピカソギターのピンバッチをおまけで、アップしておく。