■連帯保証人とは?

賃貸物件の入居申し込み時に求められることが多い「連帯保証人」とは、借主が家賃を支払えなくなった場合に、借主と“まったく同じ責任”を負って家賃や原状回復費用などを支払う義務を持つ人のことです。

通常の「保証人」と異なり、連帯保証人は催告の抗弁権・検索の抗弁権がなく、管理会社やオーナーは借主に請求するのと同時に連帯保証人にも請求できます。

つまり、連帯保証人は契約上の非常に重い責任を負う制度であり、賃貸借契約では強い信用補完の手段とされています。

 

■ 連帯保証人は誰でもなれるの?

原則として“誰でも”というわけではありません。多くの物件で以下の条件を求められます。
・親や親族など、借主と継続的な関係がある人
・一定の安定収入があること(会社員や自営業など)
・日本国内在住であること
・高齢すぎないこと(80歳以上は避けられる傾向)
特に「親が定年退職している場合」「高齢の祖父母」「収入が不安定な人」は断られることがあります。また、友人でも条件を満たせば連帯保証人になれますが、責任が非常に重いため、実務上は親族に依頼するケースがほとんどです。

 

■ 連帯保証人になってもらうには?

依頼する際には下記の準備や流れが必要です。
① 正直に状況を説明する
家賃、勤務先、支払いに問題がないこと、緊急連絡先とは役割が違うことを丁寧に説明します。連帯保証人は大きな責任を負うため、誠意ある話し方が重要です。
 

② 必要書類を案内する
依頼先には以下の書類を提出してもらうことが多いです。
・本人確認書類(免許証など)
・収入証明(源泉徴収票、給与明細など)
・印鑑証明書
・連帯保証人承諾書
事前に何が必要か伝えておくとスムーズです。
 

③ 無理なお願いをしない・断られた場合は追い詰めない
連帯保証は“借金を肩代わりする可能性がある行為”なので、断られることも珍しくありません。代わりに保証会社を利用する方法もあるため、無理にお願いする必要はありません。

 

■ 連帯保証人がいない場合は?

現在の賃貸市場では、保証会社の利用が主流で、連帯保証人がいなくても契約できます。審査はありますが、親族に頼む必要ないため、若い世代や単身者に広く利用されています。
 

■youtube動画の台本

会話台本(セミナー風)

賃貸契約に関する初心者向けセミナー。

【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。

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<前編:連帯保証人って何ですか?>

やまだ

先生〜、この前お部屋を申し込んだら“連帯保証人を書いてください”って言われたんですけど…そもそも連帯保証人って何なんですか?

 

講師

一番多い質問だね。連帯保証人っていうのは、もし借主が家賃を払えなくなったときに、本人と同じ責任を負って代わりに支払う義務を持つ人のことなんだ。

 

やまだ

えっ…! 同じ責任? 普通の保証人とは違うんですか?

 

講師

そう、連帯保証人は“借主と同じ立場”で請求を受けるのがポイント。普通の保証人は“まず借主に請求して”って言えるんだけど、連帯保証人はそれが言えない。管理会社は借主と同じように連帯保証人にもすぐ請求できるんだよ。

 

やまだ

そんな重い責任が…! じゃあ誰でもなれるわけじゃないですよね?

 

講師

その通り。まず多いのは親や親族。それに日本国内に住んでいて、安定した収入があることが条件になる。高齢すぎる人、収入がほとんど無い人、借主と関係が薄い人は断られやすいね。

 

やまだ

友達とか恋人はダメですか?

 

講師

形式上は“なれる”。でも実務上はリスクが大きいから、管理会社からは敬遠されることもある。何かあったときに連絡が取れなくなるケースが多いからね。

 

やまだ

たしかに…連帯保証人って想像より重い役目なんですね。

 

講師

そう。だからお部屋探しでも、連帯保証人を誰にお願いするかは重要になる。後編では、“どう頼むか”“連帯保証人がいない場合の方法”まで解説するよ。

 

以上