■バルコニーやベランダとは?
賃貸物件のバルコニーやベランダは、見た目は専有部分のように感じられますが、 法律上は「共用部分」 とされています。これは火災時の避難経路として使われるためで、管理規約や賃貸借契約書でも「避難通路としての機能を妨げないこと」が必須条件です。したがって、使用には一定の制限があります。
まず、プランターや家庭菜園 については、多くの管理会社が「手すりに掛けるタイプは禁止」「強風で落下する恐れがある配置は禁止」としています。床に置くタイプは許可されることが多いですが、土や水がこぼれて階下へ迷惑が掛からないよう、受け皿の使用や位置配慮が必要です。害虫発生や水漏れリスクが高い場合は禁止されるケースもあります。
次に、人工芝やウッドパネルを敷くこと は、見た目を良くする目的でも注意が必要です。排水溝を塞いでしまうと雨水が流れず階下漏水につながる危険があるため、管理会社によっては全面禁止、または部分的に許可というケースがあります。賃貸では原状回復の観点から、退去時に跡が残る素材は避けた方が安全です。
物干し竿や布団干し器具の置きっぱなし は、契約で禁止されるケースは少ないですが、強風時の飛散事故が問題となるため「使用後は固定」「台風前は撤去」のような注意項目が定められています。
また、物置を設置してよいか については、避難経路を塞がないことが大前提です。避難ハッチの上や前に置いたり、人が通れないほど大きな物置は完全にアウト。小型で移動可能なタイプなら許可されやすいですが、これも管理会社やオーナーの判断によります。
最後に、サンシェード・日除け・目隠しの設置 は、外観変更に当たる場合があり、マンション全体の景観規約で禁止されることがあります。強風による落下事故や、外壁に穴を開ける施工もNGです。突っ張り棒式の簡易タイプは許可されやすいものの、必ず事前確認が必要です。
■まとめ
バルコニーの使用範囲は「避難通路を妨げない範囲」「落下・漏水・景観・騒音の迷惑をかけない範囲」が原則で、迷った場合は必ず管理会社に確認することが確実です。
■youtube動画の台本
会話台本(セミナー風)
賃貸契約に関する初心者向けセミナー。
【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。
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<後編:目隠し・シェードは?やっていいこと悪いこと編>
講師
さて後編。
バルコニーを“部屋の延長”として使いたい人も多いけど、ここも注意が必要。
やまだ
ええ?
バルコニーに人工芝とか板を敷いておしゃれにするのはダメなんですか?
講師
そうなんだ。排水溝を塞いでしまうと、雨の水が流れず 階下漏水 の原因になる。管理会社によっては“全面禁止”なんてところも多いよ。
やまだ
これも?敷くだけでそんなことに!?
それなら日除けのシェードってつけてもいいんですか?
講師
突っ張り棒タイプで外壁に傷をつけないなら比較的許可されやすい。でも、強風で飛ぶと事故になるリスクがあるので確認が必要。
やまだ
そっかあ。マンションの見た目もバラバラになっちゃいますもんね…
講師
そうだね、目隠しパネルも、“外観変更”として扱われることがあるから要注意。DIYで設置する前に必ず管理会社に相談しよう。
やまだ
えっ、勝手につけたらダメなんですね。
講師
結局、バルコニーは“専用に見える共用部分”。だから、避難通路を塞がない、落下物を出さない、騒音・害虫、近隣迷惑をかけないなどを満たす範囲でなら使える、という考え方かな。
やまだ
迷ったら管理会社に聞くのが一番ですね!
講師
その通り。自己判断でやってしまうと、原状回復や事故で大きなトラブルになることもあるから気をつけよう。
以上