■住民票の異動は法律上の義務

「住民基本台帳法」により、引越しして住所を移した場合には、転入届または転居届を引越しの日から14日以内に提出することが義務付けられています。
これを怠ると、5万円以下の過料(軽い罰金)が科される可能性があります。

【「正当な理由」がある場合は例外となります】
以下のケースでは、住民票を移動しなくても法律違反にはなりません:
・新住所に住むのが一時的(おおむね1年以内)で、元の住所に戻る見込みがある
・生活の拠点が旧住所に残っている(週末に実家へ帰るようなケース) 
例えば、大学進学のための一人暮らしや短期の単身赴任などが該当します。

【「住民票は移さなくてもいいよね?」というのは誤解です】
法律上は正当な理由がない限り義務で、例え罰則が実際には課されなかったとしても、移さないことで実生活に重大な不便が生じます。
・運転免許更新通知などが旧住所に届くため、旧住所地でしか手続きできない
・本人確認書類(マイナンバーカードや保険証など)の住所更新
・新住所の役所で証明書(住民票の写し・所得証明など)が取得できない
・選挙権(投票)は、新住所で住民票が登録されていないとその自治体の選挙に参加できない
・公共サービス(図書館・スポーツ施設・福祉サービスなど)**を利用できない、または制限される 

 

■まとめ

引越し後に住民票を新住所へ異動することは、住民基本台帳法に基づく法律上の義務であり、引越しの日から14日以内の届出が求められ、怠った場合は5万円以下の過料の対象となり得ます。
ただし、「新しい住所が一時的であり、生活の拠点が旧住所に残っている」などの正当な理由がある場合には、例外として手続きは任意とされます。

したがって、「義務じゃないから住民票は移さなくてもいいよね?」という考えは誤りであり、正当な理由がない限り引越し後14日以内に速やかに届け出を行い、住民票を新住所に移すことが推奨されます。
 

■youtube動画の台本

賃貸契約に関する初心者向けセミナー。

【登場人物】
やまだ:素朴な疑問を持った女の子(参加者)。不動産業界はまだ慣れていない。
講 師:不動産屋で働くベテラン社員。現場経験が豊富。

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やまだ

あのー先生、引越しをしたら住民票って必ず移さなきゃいけないんですか?
友達が“別に義務じゃないよ”って言ってたんですけど……。

 

講師

実は、住民票の移動は“住民基本台帳法”という法律で義務付けられているんです。
引越しをしたら、14日以内に転入届や転居届を提出しなければなりません。

 

やまだ

えっ、義務なんですか!じゃあ移さなかったらどうなるんですか?

 

講師

罰則として5万円以下の過料、つまり軽い罰金が科される可能性があります。
ただし、短期の単身赴任や大学進学のための一時的な一人暮らしなど、
“旧住所が生活の拠点であり、新住所が一時的”という場合は例外として移さなくてもよいとされています。

 

やまだ

じゃあ、私は大学に通うために1人暮らしを始めるんですけど、週末は実家に帰る予定なんです。
この場合は移さなくてもいいんですか?

 

講師

ケースによりますが、“生活の中心がどこか”で判断されます。
もし平日の大半を新居で過ごし、役所の手続きや郵便物も新住所で受けたいなら、やはり住民票を移すべきでしょう。

 

やまだ

でも正直、移さなくても生活できちゃいそうに思えますけど……。

 

講師

実際には不便が多いんですよ。
たとえば、免許の更新通知が旧住所に届いて気づかなかったり、
新住所で住民票や所得証明を取れなかったり、選挙で投票できないケースもあります。
さらにマイナンバーカードや保険証の住所が違うと、本人確認で困ることも多いんです。

 

やまだ

そんなに不便になるんですね……。じゃあやっぱり移した方が安心ですね。

 

講師

その通りです。
法律的にも義務ですし、生活上のメリットも大きい。
“義務じゃないから移さなくてもいいよね?”という考えは誤解で、
正当な理由がない限りは速やかに手続きした方が賢明ですよ。

 

やまだ

わかりました!
帰ったらすぐに役所で手続きしてきます。

 

以上