■申込時の緊急連絡先の条件

賃貸物件に申し込む際、「緊急連絡先」を求められることが一般的ですが、この緊急連絡先は基本的に「家族・親族」でなければなりません。友人を緊急連絡先にすることは原則として認められていません。

理由としては、万が一、家賃滞納や事故、契約に関するトラブルが発生した場合に、確実に連絡が取れ、責任をもって対応できる人が求められているからです。

家族や親族であれば本人との関係性が明確であり、トラブル時にも適切な対応をとれるとみなされやすいのです。

一部の物件では、事情を説明すれば友人でも認められるケースもありますが、かなり稀です。特に管理会社や保証会社が厳格な場合、親族以外の登録を断られることが多いため、基本的には家族・親族を用意する必要があると考えておいたほうがよいでしょう。

 

■外国籍の方は追加の要件がある

外国籍の方が日本で賃貸物件を契約する際には、さらに厳しい基準が設けられています。

外国人の場合、緊急連絡先として「日本国内に居住する日本人」が求められることが多くなります。これは言葉の問題や文化的な違い、連絡の確実性を重視するためです。仮に外国籍の友人を緊急連絡先に立てても、断られることが多く、日本人かつ日本在住であることが条件となることがほとんどです。

 

■緊急連絡先の責任の範囲

緊急連絡先は保証人とは異なり、金銭的な支払い義務は基本的に発生しませんが、それでも契約に関わる連絡や重要な連絡が行く可能性があるため、本人としっかり連絡が取れる人を選ぶことが重要です。事前に緊急連絡先として名前を出してよいか、また連絡が入った際に対応できるかを確認しておきましょう。

 

■まとめ

どうしても家族や親族を立てられない場合は、物件探しの段階で、緊急連絡先の条件が比較的緩い物件や管理会社を選ぶ必要があります。最近では単身者向けの物件などで柔軟な対応をするところも増えてきていますが、あくまで例外的な扱いです。

まとめると、緊急連絡先には原則として家族・親族を立てる必要があり、友人では認められないことがほとんどです。

外国人の場合は「日本国内在住の日本人」という追加条件もあるため、物件を探す段階から緊急連絡先について準備しておくことが大切です。

■youtube動画の台本

【登場人物】
さくら:新入社員。不動産業界はまだ慣れていない。
課 長:ベテラン営業社員。現場経験が豊富で指導役。

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さくら

あの、課長、

賃貸申込みのときに『緊急連絡先』って必ず書くじゃないですか。これって友達でも大丈夫なんですか?

 

課長

うん、それよく聞かれるけど、原則は友達じゃダメだね。基本は家族か親族を立ててもらうことになってる。

 

さくら

えっ、どうしてなんですか?友達でもすぐ連絡取れるならいいような気がするんですけど…

 

課長

確かに普段の連絡だけならそれでもいいかもしれないけど、例えば、万が一家賃滞納したり、室内で事故があったりしたとき、管理会社としては責任を持って対応できる人に連絡したいんだ。

 

さくら

そうなんですね。

 

課長

家族や親族なら、本人の事情も把握してるし、最悪の場合、代理で手続きもしてもらえるからね。

 

さくら

たしかに、友達だとそこまで責任取れないですよね…。例えば、妹さんとか、叔父さんとかでもいいんですか?

 

課長

そうそう、二親等以内の親族、たとえば兄弟姉妹や叔父叔母でもOKなケースが多いよ。

ただ、なるべく一緒に住んでいなくても、近しい関係の人が望ましいね。

 

さくら

なるほど…。

でももし、家族と疎遠で連絡が取れないっていう場合は?


課長

その場合は、事情を管理会社に説明してもらって、例えば、会社の上司を立てるとか、特別に友人でもOKにしてもらえる場合もあるけど、かなり例外だね。ちなみに、そのときも『緊急連絡先承諾書』みたいな書類を書いてもらうこともあるよ。

 

さくら

結構ハードル高いですね…。外国人の方の場合はさらに厳しいって聞いたんですけど?

 

課長

外国籍の人は、日本国内に住んでる日本人の緊急連絡先が必要って決めてる物件が多い。

例えば、同じ国籍の友達を緊急連絡先に書いても、ダメって言われるケースがほとんどだよ。

 

さくら

たとえば留学生の方なら、日本人のホストファミリーとか、大学の先生を頼む感じですか?

 

課長

そう、そんな感じだね。

あとは、勤務先の日本人の上司とか、アルバイト先の店長とかを頼るパターンもある。なるべく本人と関係性がしっかりしてる人じゃないと、審査のときに突っ込まれるから注意だよ。


さくら

緊急連絡先って保証人とは違って、お金の支払い義務はないんですよね?

 

課長

基本的には支払い義務はない。

でも万が一のときに連絡がいく役割だから、軽い気持ちで頼んじゃダメだね。ちゃんと了承を取ってから書いてもらわないと、トラブルになることもあるから。

 

さくら

わかりました!

これからお客様にも、具体例も交えてしっかり説明できるようにしておきます!

 

課長

うん、いい心がけだね。

あと、最近は単身向けの物件だと少し緩いところもあるから、ケースバイケースで相談に乗るって覚えておくといいよ。

 

以上