山頭火の「行乞記」昭和5年ー12/6 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

御先祖の御加護に感謝をし
日本百観音などを参拝の後
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弘法大師・法然上人・親鸞聖人などの魅力を紹介してます。

【南無大師遍照金剛】 * 7

十二月八日 晴后曇、行程四里、松崎、双之介居。
宇佐-25
八時頃、おもたい地下足袋でとぼ/\歩きだした、

酒壺洞君に教へられ

勧められて双之介居を訪ねるつもりなのである、

やうやく一時過ぎに、松崎といふ田舎街で

『歯科口腔専門医院』の看板を見つける、

ほんたうに、訪ねてよかつた、

逢つてよかつたと思つた、

純情の人双之介に触れることが出来た

(同時に酔つぱらつて、

グウタラ山頭火にも触れていたゞいたが)、

まちがいのないセンチ、

好きにならずにはゐられないロマンチシズム、

あまりにうつくしい心の持主で、

醜い自分自身を恥ぢずにはゐられない双之介、

ゆたかな芸術的天分を発揮しないで、

恋愛のカクテルをすゝりつゝある人――

さういつたものを、しんみりと感じた。


開業所、宿泊所、飲食所、

それがみんな別々なのも面白い、

いかにも双之介的らしい、

このあたりは悪くない風景だが、

太刀洗が近いので、たえず爆音が聞えるのは困る。……


昨日今日は近代科学に脅やかされた、

その適切な一例として、

右は汽車が走る、左は電車が走る、

そのまんなかを自動車が走る、

法衣を着て網代笠をかかつた私が閉口するのも無理はあるまい、

閉口しなければウソだ。


道を訊ねる、答へる人の人間的価値がよく解る、

今日も度々道を訊ねたが、

中年の馬車挽さんは落第、若い行商人は満点だつた、

教へるならば、

深切に、人情味のある答を望むのは無理かな。

 

 しんせつに教へられた道の落葉
・つめたい雨のうつくしい草をまたぐ
 大木に腰かけて旅の空
 立札の下手くそな文字は「節倹」
 山茶花散つて貧しい生活
 坊さん二人下りたゞけの山の駅の昼
(追加)
 大金持の大樅の木が威張つてゐる
・空の爆音尿してゐる(太刀洗附近)
・たゝへた水のさみしうない
 また逢つた薬くさいあんたで
(追加)
・降るもよからう雨がふる
 

   夕空低う飛んで戻た(飛行機)   

 暮れてもまだ鳴きつゞける鵙だ

 

今夜は酔ふた、

すつかり酔つぱらつて自他平等、

前後不覚になつちやつた、久しぶりの酔態だ、

許していたゞかう。

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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