第三の人生
-1-
風は近くの小岱山(しょうだいさん)から吹いていた
わたしは生れたところの風を始めて聞いた
夏のさなかだったけれど
秋のようなさわやかな音であった
近くのお宮に拍手をうっていると
風はうしろから吹いてきた
-2-
わたしは長いあいだ言ってきた
自分はスタートのない人間なんだ
だからゴールもふたしかなんだと
それを言うとき
わたしの心はむなしかったが
そのむなしさが
わたしを発奮させてきた
いま始めて呱々(ここ)の声をあげた土地にきて
すぐ近くの山から吹いてくる風をきき
ああこれから本当の人生が始まるんだと思った
そういうことを知らせてくれる
風の音であった
-3-
住む人は変わったが
家はそのままだということであった
今は小岱屋(しょうだいや)といって
雑貨など売っている
道角の家であった
古びた大きな柱に手をふれて
わたしはわたしの呱々の声を知っている
これらの柱をなつかしんだ
-4-
姉はいくらかの記憶があった
ここに何があった
あそこに何があった
家の前を流れていたという
小さい川のことや
遊びに行ったという
石段のあるお宮のことなど語ってくれた
かっては宿場であったらしい
そんな名残の家もまだあった
坂村真民
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
明日もいい日でありますように 【合掌】
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