長い間休止状態でしたが、久々に投稿する事にしました。
今回は、「ナポロオン・ソロ」シリーズによってもたされた、ドラマスタイルの新しい流れついて少しお話したいと思います。
「ナポレオンソロ」と言えば勿論、ソロとイリヤ。二人が活躍するスパイアクションドラマです。
しかし、スタート当初は、主人公はあくまでもナポレオンで、イリヤは脇役でした。
劇場版第一作の「罠を張れ」では、イリヤの出番はほとんどありません。
ところが、回を重ねるにつれて女性ファンを中心にイリヤの人気が急上昇。
この反応に制作サイドも応じる形で、イリヤの出番を増やして行きました。
この結果、イリヤ(デビッド・マッカラム)の人気は更に高まり、主役だったソロ(ロバト・ヴォーン)を上回る程。
(この為、当時はヴォーンとマッカラムの不仲説も出た程)
つまり、ここで初めて主人公が2人という、アクションドラマのスタイルが誕生したのです。
それ以前は、2人組みといえばホームズとワトソンのスタイルで、相方は主人公の助手と言う位置付けでした。
例えば、バットマンとロビン、ローンレンジャーとトントなど。
「ナポレオンソロ」のような2人が対等なポジションのスタイルは無かったと記憶します。
主人公(ヒーロー)が二人なんて、変ですからね。
ただ、この新しいダブルヒーローを創りだしたのは、原作のサム・ロルフでも、製作のノーマン・フェルトンでもなく、
世界中の女性ファンだったといえますね。
この新しいスタイルは当然、他の番組、以降の番組にも影響を与えました。
同じスパイブームの中で創られた「アイスパイ」も主人公が2人というスタイルでした。
その後に訪れたポリスアクションブームでは、「刑事スタスキー&ハッチ」、「白バイ野朗ジョン&パンチ」、「マイアミバイス」などがあります。日本のアニメでも「ダーティーペア」が、このスタイルでした。
因みに、この人気ポリスもの番組は日本で、「スタスキー&ハッチ」→「俺達の勲章」、「ジョン&パンチ」→「トミーとマツ」、
「マイアミバイス」 →「危ない刑事」になってます。
映画に関しては詳しくわかりませんが、トミー・リー・ジョーンズの「メンインブラック」などは、
元をただせば{ナポレオンソロ」?という印象を受けます。
一方、日本のテレビ界でも、新しいスタイルが生まれました。
ドラマそのもではありませんが、日本語版の予告編に新しいスタイルが生まれたのです。
従来の予告編はナレーションのみでしたが、「ナポレオンソロ」の放送では、
吹き替えを担当した矢島正明さんと野沢那智さんの2人が、ソロとイリヤに成りきって掛け合いをする形をとりました。
当然、日本の「ナポレオンソロ」ファンには大好評で、矢島さんと野沢さんも人気声優となりました。
この予告編スタイルは、前述のポリスもの番組にも踏襲され、特に「ジョン&パンチ」で吹き替えを担当した
古川登志夫さんと田中秀行さんは海外ドラマファンにも人気声優になりました。
矢島正明さん
野沢那智さん
その後は、海外ドラマの内容やスタイルの変化、日本での海外ドラマの放送状況の変化で、今は無くなったと思いますが、
この、本編での声を担当した声優さんが、本編のキャラとして予告をするスタイルは、アニメ界に踏襲され、
アニメ人気と声優人気の台頭も有って今では、アニメ番組の定番スタイルになっています。
海外ドラマファンには関係の無い話かもしれませんが、アニメ・声優ファンの視点からすると、
「ナポレオンソロ」の息吹が、今も尚アニメ番組の世界で生き続けている、と考えるのは少しオーバーでしょうか。
と、いうことで、少し長くなってしまったかもしれませんが、「ナポレオンソロ」のマメ知識、
みたいな感じで読んでいただけたなら幸いです。
それではまた(次回は何時の投稿になるか全く分かりませんけど)。