学生の頃、油絵の模写をした時に「え、どういう構造…?」って思ったドレスは一見シンプルなエンパイアドレスでした。


バッスルスタイルは良く漫画で見てたので表面的な理解はすぐに出来たけれど…


エンパイアドレス…

全面スケスケ少量な布なのに…何故か脚にまとわりつく大量の布!?

んん?その布は何処から来ている?ドレスの一部なの?それともひいてる布なの?!って頭悩ませながら描いた思い出のドレスです。


そんなエンパイアスタイルのドレスを先日衣服標本家、長谷川さんの半分解展で当時の実物に見て触れて、内部まで見せていただくという貴重な経験をさせていただきました。


家に帰ってその日のうちに型紙起こして、3日ほど寝不足になりながら一気に作りました。


フランス革命を経てナポレオンの時代、エンパイアスタイルと呼ばれている…ほぼ下着のシュミーズドレス


横に広がったロココのローブ・ア・ラ・フランセーズから急にコルセットもなくなり、シンプルかつ直線的になった…時代の大きな変化を感じるドレスです。

この後、エンパイアスタイルはどんどん派手になっていくのですが、絵画的にもロココ、バロック、新古典主義が入り乱れた時代なので…大きく変わっていく時代の変化を随所で感じられる…とても好きな時期。

まだまだ直す所はいっぱいあるし布はありあわせのものだけれど、基本構造が解ったので後は色々楽しめそうです。

さてさて、脱線しましたが…
その昔、謎に思っていたスカートの作りはごく薄い布を後ろ側に執拗に畳んでいたからでした。

現在のエンパイアスタイルドレスとは全く違う作り方&上半身はとにかく小さく華奢にっていう執念を感じる作りでした。

後ろに大量の布を引きずるので肩の切り替えの位置や服のバランスが後ろに布が大量にあることを前提に作られている感じがとても面白かったです。


数年前までは自分がドールの洋服を作るなんて想像すらしていなかったのに…
巡り巡って昔の自分の疑問に自分で納得のいく答えを出せるようになったことがとても感慨深い…。

年末のイベントが終わったらまた違う時代のドレスを再現できたらいいな〜と思ってたり。
ワンオフドレスの納品に追われつつ、これからも頑張ろう…