4.3

母、叔母、私で父のいるICUへ向かいました。


今回の急変の原因として、ARDSの再燃や肺炎が挙げられました。


朝の主治医からの電話では、ECMO導入になる可能性を伝えられたが、現在呼吸状態は改善してきているため、今すぐの導入は避けられたそう。



私『ECMO(人工心肺)と人工呼吸器はどう違うのですか?』


主治医『人工呼吸器は自分の肺を使って呼吸をしています。人工心肺は自分の肺の機能を機械にゆだねるものとなります。』


そして、ECMOの説明をしてくれました。


あの有名な志村けんさんはコロナにかかり、肺炎を発症してお亡くなりになりましたね。


入院中、志村けんさんが行っていた治療もECMOでした。


名前は聞いていたけど、どのような仕組みなのか、理解していませんでした。




ECMOは肺の補助を主体に行うものです。


人工呼吸器を使っても、酸素の交換がうまくできない時、肺を休ませてあげるイメージですかね。


ただし、合併症があり、体外で人工的な管やポンプを使用することで、体の中では血液を固まらせようとする生理反応が起こるそうです。


そのため、血液をサラサラにする薬剤を使用する必要があります。



その結果、体全体が出血しやすくなり、脳出血、肺出血、消化管出血など、が起こる可能性が高くなります。


そのほかにも、カテーテル挿入に伴うものや血栓塞栓症、感染、各種臓器不全‥など合併症が伴うと説明を受けました。


呼吸するのに人工的な補助が必要なわけだから、それだけ重篤な合併症が発生する可能性があるということですよね。


そして、ECMOの期間として、10日ほどで、ポンプを交換するそう。


その交換自体も一時的に補助がなくなるわけだから、非常に危険な処置となるそうです。


このように危険がありながらも、この処置をしないと、命が危うい状況になるということですね。


説明でも、死亡率50%と説明されました。


この時は父の状態が良くなったり、悪くなったりの繰り返しで、私たちは心身ともに疲弊していました。



説明の後は、父の顔を見ました。


透析した時に比べると、表情は悪くないかな?という印象でしたが、呼吸は苦しそうでした。


どうか、ECMO導入は避けられますように。


何もしてあげられない無力さを感じながら、祈っていました。