岸本佐知子さんのエッセイ。
ひとつ４ページくらいの短いエッセイがたくさん詰まった本で、この短さの中で岸本さんは、あらゆる場所を飛び回り、時空を超え、たくさんの人、または人ならざるものに出会う。しかし、実際は今いる場所から、１ミリも動いていない。すべて岸本さんの頭のなかの妄想なんである。
たとえば郵便局に切手を買いに行ったら、オバサンに割り込まれた。そのオバサンは山田フサエ（仮名）という名前で、岸本さんはフサエと一戦を交え、すると郵便局の神が降臨し、気がつくと何万という観衆が埋め尽くすコロッセウムで、フサエと棍棒で殴り合う（笑）。
はじまりは地に足着いた日常生活のふとしたこと。そこから想像による跳躍力が半端ない！岸本さん、本業は翻訳家だけれども、小説を書かれたらよいのでは、と思う。
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