茨木のり子さんの詩集。


表題作『倚りかからず』がぶっちぎりによくて、他には『あのひとの棲む国』、『時代おくれ』などがお気に入り。この3つに共通するのは何だろう、と考えたときに、やっぱり国や時代に寄りかからずに「大したことないただの私」として生きていこうという姿勢だと思った。


最後の山根基世さんの解説で、この「倚りかからず」ができるまでには40年あまりの年月がかかった、とある。茨木さんの父親は戦前、ドイツに留学経験があった。その比較体験から、「日本人の依頼心、依存心の強さを問題だと考え、親子兄弟といえども独立独歩で行くべきだと常々話していたという」。


日本人ていうより人間はみんな依存する心を持ってると思うけど、だからもしみんなが誰かに寄りかかることなく生きることを実践していたら、戦争なんていうことにはならないんじゃないのか、っていう茨木さんの気持ち、よくわかるなぁ。しかし戦後70年以上たってもなかなかそういうわけにはいかんらしい。そのなかでこの詩集がベストセラーになる、ってことに一縷の光をみる思いがした。

 

 

●面白かった詩集(隠居の本棚より)


疾中 宮沢賢治 


だからもう はい、すきですという 服部みれい 


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