映画配給プロデューサー・高野てるみさんの新書本。

 

映画配給プロデューサー、それは国際的な映画祭に誰よりも早く赴き、現地での買い付け交渉、日本での劇場ブッキング、宣伝、そしてパッケージ化するまでの全責任を負う、目も回るような大仕事。裏方なんだけど、実は私たちが映画館で観られる映画はこの人たちがいなければ観ることもかなわない。そんな重大な仕事なのに、いままであまり語られてこなかったのは、本人たちがしゃしゃり出ることなく、映画を裏から支えることにプライドを持っているから、ということがよくわかる。

 

ミニシアター全盛期の時代のエピソードもいいけど、私は『パリ猫ディノの夜』というフレンチアニメ映画の話がよかった。公開時2010年、35ミリフィルムの上映はされなくなり、時代はデジタルに移行していた。しかしこの映画の良さは35ミリフィルムでしか出せないと、まだ上映できる映画館を探し出す。すると必ず助けてくれる人がいて、映画業界の人たちの映画愛とはこういうものか、と唸った。こういう話自体がもう映画になりそうで。

 

そして高野てるみさんは、なんといっても文章が粋でオシャレ。文化がもっとも爛熟した時代を生きてきた人、という感じがする。SCREEN ONLINEで連載されていたという映画監督インタビューも、まとまった本として読みたいなー。

 

 

 

 

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