色川武大さんの短編集で、川端康成文学賞受賞作。
百歳になんなんとする父親と八十に近い母親、父とは四十も離れた長男の私、そして弟夫婦の家族、だけどこの話はほとんど父親と私のこと。
気難しい父親に反発を覚えながらも、もしかして父親を一番わかってるのは、長い間世話をしてきた弟夫婦よりも、好き勝手に生きてきた私かもしれないというのが、何気ない会話や、最後にあらわれる。父と息子、この不思議な関係…。
たぶん、色川さんの実体験をもとにしているのでしょう。ゆっくりと父と私の関係をつづってゆく私小説、私は苦手かなー。何がおもしろいのか、いまいちわかんなかった。
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●文庫出ました