数えてくださった方あり
今日は
月曜クラス41回目の
音読講座だそうです
ありがとうございます
では始めましょうね
6月最初の作品は
しっとりと・・・
「方丈記」
鴨長明
ゆく河の流れは
絶えずして
しかも
もとの水にあらず
河の流れは絶え間なく
流れているように見えるが
いつまでも同じ水が
留まっているわけではない
たちまち行き過ぎていく
所も変らず
人も多かれど
いにしへ見し人 は
二三十人が中に
わづかに
ひとりふたりなり
町並は変わらず
人々も同じように
行き交っているようだが
昔から見知る人は
2、30人のうちに
わずかに
ひとりかふたりである
仮の宿り
誰が為にか心悩まし
何によりてか
目を喜ばしむる
生まれ死んでいった人が
わずかの間浮世に暮らした
はかない住まい
誰を思って
悩み苦しんだのか
何によって誰の目を
喜ばせようというのか
鴨長明の時代は
武士の勢力争いと
大火 大地震
つむじ風 大飢饉と
無数の亡骸が
町に溢れました
「方丈記」は
当時の都の悲惨な有様が
記され 現代に役立つ
貴重な資料にも
なっています
あらためて読んでみると
繰り返される災害への
警鐘です
にしても冒頭は
美しく印象的な名文です
皆さんと
味わいながら読みました
ゆったりとした
リズムが心にも体にも
心地良いですね
次は 🐌
「でんでん虫のかなしみ」
新美南吉
いっぴきの
でんでん虫がありました
*
とうとう
でんでん虫は
気がつきました
「かなしみは
だれでも持っているのだ
わたしばかりでは
ないのだ
わたしは
わたしの悲しみを
こらえていかなきゃ
ならない」
この作品が再び
注目されたのは
1998年に
美智子さまが
ニューデリーで行われた
国際児童図書評議会の
講演で
この作品に
触れてからです
詳しくは
「橋をかける
子供時代の読者の思い出」
をお読みくださいな
嘆いていた
でんでん虫が
最後に
嘆くのをやめたのは
「よかった」話ではなく
もっと深い悲しみに
気づいたからでした
いっぴきのでんでん虫の
成長物語です
そこを読み取り
どう表現しましょう
皆さんの個性が
光る作品ですね
さらに
遠野物語の
〈まよいが〉から
「赤いお椀」
「遠野物語」は
今から100年以上前
柳田国男が
岩手県中央部に位置する
遠野に単独人力車で入り
神 妖怪 家々の伝承
などを集めたものです
静かな恐怖を味わいつつ
読み進めました
けっこう
皆さん上手くて怖い
怪談絵本は
大人にもおすすめです
怖いですよ~
無常 悲しみ
怖い と続いたので
最後は楽しく
「たのしそうに
していること」
糸井重里
たのしそうにしていることは
とてもいいことだ
こころから
そう思うのだけれど
たのしそうにしていることは
あんまり簡単じゃない
たのしそうにしていちゃあ
いけない時が
なんだかずいぶん
しょっちゅうあるからだ
・
・
・
と始まる
コピーライターならではの
糸井ワ─ルドに
グイグイです
運がわるいの
蚊にさされたの
うらやましいやら
くやしいやら
・
ふざけやがって
冗談しゃないぞ
・
・
・
普段人前では
言えない言葉の数々
アウトと言われやすい時代
思いっきりこんな言葉を
連発するのも気持ちが
すっきりしますね
終了後
数人の方が寄ってきて
話に花が咲きました
実は皆さんが少しずつ
話したり笑い合ったり
打ち解けていくのを
見るのが嬉しいんです