昨日「世田谷の待機児童がゼロに!」という報道がなされました。
世田谷区 待機児童ゼロに 全国の市区町村最多を返上
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200527/k10012446801000.html
私も1週間ほど前に所管課から報告を聞いたときはかなり驚きしました。「待機児全国ワースト」は長年世田谷の代名詞でもあり、昨年も470名で全国ワースト、そもそも私が議員を志したきっかけも息子たちが待機児となり、かなりの苦労を味わったからでもあります。
それがゼロになったということは素直に大変喜ばしく、区による保育所整備、保育士確保策が奏功したとも思う一方で、その内訳を見てみると、誰もが入りたい保育園に入れているという状態にはなっていません。
国の待機児カウント基準によれば、「自宅から30分未満(半径2km以内)で登園可能な距離の特定教育・保育施設等に空きがありながら入所できていない児童数」は待機児から引いてよいということになっています。
乱暴な言い方をすれば「物理的に登園可能な施設があるのに行かない人たちは除外してよし」ということです。
こうした方々が今年は474名、昨年は395名、一昨年は299名とかなり増加しています。これの意味するところは色々とあろうかと思いますが、以前と比べて希望者の保育所選びが変わってきたのだと推察します。
私が保活をしていた約10年前は認可はもちろん、認証も認可外も空きがなく「とにかく入れられればどこでもいい!」という雰囲気でした。
最近は保育所整備も進み、待機児も3桁になり、区内における地域差も出てきたため、保護者が保育所をある程度選べるように変化してきたように思います。その証拠に各地の認証保育園等では定員割れが相次いでいます。当然ながら経営する事業者にとっては死活問題です。とにかく認可保育園にという認可至上主義は以前からありましたが、依然根強く残っているということがよく分かります。
今後はこのミスマッチをいかに解消していくかが行政としての腕の見せ所になりますし、コロナを受け来年度以降の保育ニーズがどう変化していくかも未知数です。
一旦形式上はゼロになった待機児童で、区長も自慢気にツイートをしていますが、私はとても楽観視できる状況ではなく、これまで以上に慎重な手綱さばきが必要と思っています。引き続き注視してまいります。