縁あって、時代劇画家の大家
とみ新蔵先生にお会いすることができました。
『柳生連也武芸帖』
『薩南示現流』
『柳生兵庫介』
…近年の先生の漫画はほぼ読んでいて
どれも大好きな作品です。
もう、一ファンとして
夢のような心地♪
いろいろな話をさせて頂きました。
その中で、
私が本を読むのが苦手なこと。
最近、電車で移動することや、出先で待つことが多く
そんなときこそ本を読んで勉強するべきなのに、
疲れやすくてついつい漫画ばかり読んでしまうこと・・・。
そんなことを言うと先生から、
「なんでもプラスにもっていかないといかん。」
「漫画評でも書いたらどうや?」
・・・と、ビックリするようなアドバイス。
せ、先生、やってみます~!!
というわけで、
※アマゾンより抜粋
ストーリーは、江戸時代前期?ごろ
隠棲している老剣客(辻月探)のもとに、副家老に家族を斬殺された
庄屋の息子(吾作)が復讐のための剣を学びに来るところから始まります。
その教わる剣術が、ひとつひとつ…実に理にかなっているのです。
これまでの柳生や示現流の剣豪を主人公にした漫画でも、
(足をひいている)や(腕力でなく胸筋)などの注釈が絵に添えられていて
武術考証の高さに定評があったのですが、
この剣術抄はさらにそこを突き詰め、もはや指南書といっていいほどのレベルに昇華!
それはもう圧巻の説得力。
実際の剣術には、チャンチャンバラバラのような激しい剣捌きはありえず、
この漫画の中の描写のような、一瞬の動作で決まってしまうんだろうなと・・・深く思わずにはいられません。
で、私、先生にお会いした際
体の使い方や姿勢も指導し手頂いたのですが、
教わることがすべて、「剣術抄」の内容通り!!
自分が「吾作」になってしまったかのようでした~♪
さてそんな剣術抄ですが、
カチコチのまじめな作品ではなく、
ぶっとんだ展開も挟まれます。
それは天女『蘭ちゃん』の存在と
『タイムスリップ』(!)
特にタイムスリップは、
主人公たちもよく分からんといいつつ、
様々な過去に飛び、
ローマ剣闘士・フランス騎兵・・・・
はては、中国三国時代のあの豪傑とも一戦交えます。
(表紙左側に剣闘士 最上段にフランス騎兵がいるのが分かりますか?)
正直、これには驚きびました。
私は連載誌『コミック乱』でリアルタイムで読んでいたのですが
先生どうかしてしまったのでは!?と思ったほどです。
また、剣術対手裏剣などの『異種武器戦』も頻繁に行われます。
手裏剣や鎖鎌、座頭市の仕込み杖や唐手(空手)であっても、
真の剣術ならば、どの武器にも対応でき、引けを取らない・・・
そんな男のロマンも、主人公たちによってバビ~ンと証明されていきます!
もちろん、これらは先生が実際に剣を振るって、
相対稽古をして、得られた体験をもとに描かれたもの。
読めば読むほどに、深い描写に感銘。
とにかく深い深すぎて、
一家に一冊揃えるべき本です!!
・・・といいたいのですけど、
ちょっとストレートにエッチな描写も多いんですよね。
(^^;)
ズバリ、天女の蘭ちゃんと辻月探の相愛ぷりったら・・・。
※『剣術抄』全2巻
三国志のあの方の登場は2巻冒頭が中心。
終盤は、修行の末、ついに仇討に乗り込む吾作が描かれます。
しかし副家老の用心棒は本格的な強豪揃い・・・。
厳しい決戦となります。