書店員マリのブログ

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私は学習塾に通ったことがありません。
幼少時、従弟が学習塾に行くのを楽しみにしていると聞いて、なぜ?おかしいんじゃないのと思っていました。
学習塾は営利目的としか頭になかったのです。

そんな自分が塾教育を舞台にした小説を読もうとしたのは、白石一文さんが薦められていたのと、
この本文抜粋の広告にもっていかれたからです。

学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです。太陽の光を十分に吸収できない子どもたちを、暗がりの中で静かに照らす月。

塾って?誤解している?


学校の用務員をしていた吾郎は、千明の強引な勧誘により、共同で塾を始めます。

その後、二人は結婚。
塾が拡大していくにつれ、千明の教育、経営の考えに変化が。
二人の塾教育の方針の対立、心も離ればなれに。

戦前、戦後の教育の歴史とともに、教育とは?と絶えず問いかけながら、素直な自分をだせない家族の物語がすすんでいきます。

結婚の身分差別、政府の教育政策、そして格差社会問題を指摘し、この本から、教育の理想と現状を分かりやすく学べました。

孫の一郎の代までわたる家族の物語は圧巻。

教育と家族の物語のマリアージュがこんな骨太でできるんですね。不覚にも2回泣きました。

最後に声を大にして言いたい。
この本を書き上げられた森絵都さんに感動しました。
そして、ありがとうと。