「リーダー失格だ・・・」と、デスクでため息をついたことはありませんか?
大きなプロジェクトの失敗、チームの停滞、期待に応えられなかったという自責の念。
キャリアを積むリーダーほど、この自信を失う瞬間を深く感じてしまうものです。
大丈夫、それはあなた一人ではありません。
そして、その感情は「リーダーの終わり」ではなく、「真の成長の始まり」のサインです。
今日は、自信を失ったリーダーが自己肯定感を回復させ、
次の一歩を踏み出すための具体的なステップをご紹介します。
ステップ1: まずは「感情」と「事実」を切り離す
自信を失うとき、私たちは「失敗したという感情」と「自分自身が経験した事実」を
直結させてしまいがちです。
しかし、まず行うべきは、この二つを冷静に切り離すことです。
「私」と「失敗」を切り離す
あなたが今感じている「失格感」は、
理想の自分と現実の自分のギャップから生まれています。
これを「あなたの能力の欠如」と直結させないでください。
失敗したのは「あなた自身」ではなく、
「ある特定の行動や判断」です。
自分を全否定するのは、ここで止めましょう。
具体的な行動:「感情」を書き出し、「事実」を抽出する
まずは、あなたの頭の中にあるネガティブな感情と、
それに対する事実を紙に書き出す習慣をつけましょう。
・ネガティブ感情の羅列: 「失格だと感じた理由」を感情的に全て書き出す
(例:私はリーダーシップがない、あの時なぜあんなことを言ったんだ、信頼されていない)
・事実の抽出: その感情の裏付けとなる具体的な事実だけを抜き出す
(例:新しい提案が通らなかった、メンバーAが今月で辞めた、定例会議で意見が割れた)
感情と事実を分けることで、「自分はダメだ」という曖昧な呪縛から、
「これは解決すべき特定の課題だ」という具体的なデータへと変換しましょう。
ステップ2: 成功体験を「再定義」し、自己肯定感を回復する
自信喪失した時こそ、過去の成功体験を思い出す必要があります。
しかし、この時「大きな成果」にこだわる必要はありません。
「小さな成功」に目を向けましょう。
小さな成功のリスト化
あなたの自己肯定感を回復させる燃料は、「大きな成果」ではなく
「プロセスや努力」の中にあります。
以下の観点で、過去1週間や1ヶ月を振り返ってみてください。
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「新しい提案に挑戦した」
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「メンバーの話を遮らずに最後まで聞いた」
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「納期に間に合うよう夜遅くまで調整した」
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「困難なフィードバックを逃げずに伝えた」
結果ではなく「プロセス」や「努力」を評価する。
この小さな達成感の積み重ねが、「まだ自分はできる」という感覚を取り戻してくれます。
「貢献」の視点に切り替える
あなたは、意識していないところで誰かに影響を与え、貢献しています。
メンバーからの感謝の言葉、顧客からのポジティブなフィードバック、
あなたがチームにもたらした小さな安心感。
あなたが「与えた価値」に焦点を当てることで、「失格」ではなく
「まだ貢献できる人」と視点を変えることができます。
ステップ3: 「完璧主義」を捨て、「弱さ」を開示する
立ち直りのステップの最後は、あなたの行動パターンそのものを変えるための
「リフレーミング(新しい枠組みをもつこと)」と「開示」です。
「失敗」を「データ」に変える
失敗を感情的なダメージとして引きずるのではなく、
「次への改善点が含まれたデータ」として捉え直します。
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(例)「プレゼンが下手だ」 →
(リフレーミング) 「聴衆の関心度と構成の関連データが不足していた。
次は冒頭でより具体的な事例を提示する」
「完璧主義」の罠を捨てる
多くのリーダーは「完璧でなければならない」という呪縛に囚われています。
しかし、完璧を目指すあまり行動が遅れることの方が、チームにとっての損失です。
勇気ある未完成を許容し、70点の早期実行を評価しましょう。
「まずやってみて、市場やチームの反応を見る」というスタンスこそが、停滞を打破します。
信頼できる人に「弱さ」を開示する
「自信を失っている」ことを隠そうとしないでください。
信頼できるメンターや仲間に「実は今、少し自信を失っている」と正直に伝えてみましょう。
弱さを見せられるリーダーこそ、チームにとって人間的な魅力と安心感を与えます。
他者のサポートを受け入れることで、あなたは孤独な「失格感」から解放されます。
立ち直りは「技術」である
リーダー失格と感じたとき必要なのは自己否定ではなく、
「感情の認識」「小さな成功の再定義」「リフレーミング」という技術です。
過去のお話しですが、
プロジェクトマネージメントをしていたAさんは、
最終プレゼンに大失敗し、収拾がつかなくなって、契約ができなくなったことがありました。
メンバーはもちろん、経営者もひどく落ち込んだ様子を目の当たりにして、
居場所がないと思って、退職願をしたためて会社に出社したそうです。
居場所がないという気持ち、
申し訳ないという気持ち、
メンバーにお詫びしてもしきれないという気持ち、
自分を責める気持ち、
情けなすぎて、感情がマヒしそうだけれど、
自分をいじめる気持ちに苛まれたそうです。
事実は、「契約が白紙に戻された」ということで、
白紙には戻されたが、破棄や終了ではなかったのです。
Aさんの上司が、先方企業に頭を下げて、再度プレゼンの機会をいただける
ことになり、今度は、Aさんの上司が自らプレゼンを行い、
見事に契約を締結できたそうです。
この時、Aさんの上司は、Aさんに、
「あなたの失敗が、この契約を詰める上で何が足らなかったかを教えてくれた」
そう思えるようになるまで、あなたには頑張ってもらいます!
と、笑って言われて、Aさんのプレゼン成功への道筋が変わったそうです。
Aさんの自信は、一瞬で戻りませんでした。
ただ、日々の小さな自己肯定感の積み重ねで回復させたそうです。
立ち止まり、深く落ち込んだ経験は、
あなたのリーダーシップをより人間味のある、深いものに変えてくれるはずです。
今日あなたが「自信を失った原因は」はなんですか?
それを書き出して、リフレーミングしたり、感情の認識をしたりして、
あなたの自己肯定感の燃料にしてください。
あなたはまだまだ、十分結果を出せる価値があります!
信じていきましょう。
世界でいちばん美しい言葉
「ありがとう」と共に、今日もお元気にお過ごしくださいね。