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皆さん、こんにちは。

白鳥哲です。

 

 

先日、日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした町、

徳島県勝浦群上勝町へ撮影に行ってきました。

 

 

「ゼロ・ウェイスト」とは、焼却処理や埋め立てをせずにゴミを一切出さないというものです。

 

ゼロ・ウェイストはもともと、イギリスの経済学者ロビン・マレー博士が自らの著書で打ち出したもので三つの目標を掲げています。

 

1.    有害物質を出さない

2.    大気を汚染しない

3.    資源を無駄にしない

 

それを達成させるために四つのポイントが重要となります。

 

1.    Local(地域主義)

2.    Low Cost(低コスト)

3.    Low Impact(低環境技術)

4.    Low Technology(最新技術に頼らない)

 

このゼロ・ウェイストを上勝町が2003年に宣言しました。

 

もともと、上勝町はゴミを野焼きで処理していました。

でも廃棄物処理法で野焼きは禁止され、小規模な焼却炉が建設されたのですが、焼却灰からダイオキシンが検出され、新たな焼却炉を建設する必要を迫られました。

しかし、それを建設する費用がなく、どうしたらよいかを模索していたところ、やがて、全ての「ゴミを出さない」に行き着きました。

ゴミの収集サービスもないので、住民たちが自らゴミを持ち込みます。

 

 

感動しました。

 

 

まず、ゴミの四割を占める生ごみの処理については、町の補助で全住民が生ごみ処理機、コンポストを持っています。

ある住民の方の台所も見せていたのですが、

生ごみ処理機に生ごみを入れるのは慣れれば簡単とのことで、匂いもなく快適に見えました。

処理機には微生物のチップが入れられていて堆肥に変わるので、

ガーデニングや畑に使え、住民の方も喜んでたい肥作りに取り組んでいました。

そして、プラスチックや紙、金属などのごみは分別をしています。

最初は9種類の分別だったのが、34種類、そして、今では45種類に分別します。

 

住民の方々にインタビューさせていただいたのですが、

皆さん一様に「分別は面倒ではなく、日常の延長だ」として仰っていました。

なぜなら、ゴミがきれいに分別できれば資源になることを知っているからです。

 

それは、ゴミの収集場所の「ゴミステーション」に行って納得出来ました。

分別されている45種類の箱には、それぞれゴミの行先と値段が書かれています。

 

例えば「金属キャップ」⇒「徳島市」⇒アルミ材料になって「120円」という風に、捨てたゴミがどこに行き、それが何に変わり、どれぐらいの価値で取引されるか?が分かるのです。

 

それが町の収入になり年間200万円の収入となり、「ちりつもキャンペーン」という形で住民に還元されています。

 

「ちりつも」とは「塵も積もれば山となる」からきていて、まさしく、資源のない町にとっては重要な考えの基本となります。

 

綺麗な状態で分別に協力すると、それらがポイントとなって、ほかの日用品が貰えるのです。

トイレットペーパーだったり、洗剤だったり日常で使うものが貰えるので、住民たちは喜んで分別していきます。

 

また、まだ使える洋服だったり、食器などの不用品は「くるくるショップ」というところでリサイクルされます。

ゴミを出しに来た宿のご主人にお話しを伺ったところよく利用されると話されていました。

 

「食器などが割れて足りなくなると、くるくるショップにもらいに来ます」

 

くるくるショップで欲しい物をもらい、不要になったものはあげるという仕組みです。

 

 

 

不用品の中で使えないものは「くるくる工房」で作り直されます。

 

例えば、端午の節句で飾る鯉のぼりなど使い道がなくなった物も、こちらでパーカーとして作り直され、おしゃれで楽しい衣類に生まれ変わります。

古くなった着物の生地で財布だったり小物が作られ販売されています。

それらの売り上げはNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの活動の資金となります。

 

NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの四代目理事長坂野晶さんも着心地もよさそうに“鯉のぼりパーカー”を着ていらっしゃいました。

 

NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーとは、

このゼロ・ウェイストの考えを広める学校のような役割をしていて、

全世界から数多くの方々が訪れ、ゼロ・ウェイストの考え方を学んでいきます。

 

私たちが撮影しに行った日も台湾の取材陣が来ていました。

これらの取材陣など視察に訪れる人々は年間1000人近く。

住民の数にも匹敵する国内外から訪れる人たちが、

この町自体の取り組みに興味を持ち「観光資源」となっているのです。

 

我々の取材もきめ細かい対応を役場の方々やゼロ・ウェイストアカデミーの方々がしてくださり暖かい気持ちになりました。

 

 

人口約1500名の小さな町が全世界の最先端の土地となっているのです。

 

 

また、認証制度というのを設けていて、実際にゼロ・ウェイストを達成しているお店にはそのステッカーが貼られています。

町内にはその認証が下りたイタリアンのお店、カフェ、温泉施設など7店舗あり、現在町外にも広がっています。

 

それらのお店では「量り売り」がされています。

 

醤油やオイル、洗剤など、その容器のプラスチックは大変なゴミとなります。

上勝町ではお客さんが自分たちが持ち込んだ瓶などに入れてもらい必要な量を買うことが出来ます。

レストランやカフェがお店で使用する調味料を量り売りするので、循環が良く、住民たちはいつも新しい物を手に入れることができます。

そして、量り売りをするお店で食事やカフェを楽しむこともできて、とても豊かに感じられました。

 

また、店内には何とも言えない心地よい空気が漂っているのです。

分かち合う空気がそのような空間を作るのだと思います。

 

 

ゴミを出さない。

ごみとなるものを受け取らない…

 

認証店の中でカフェに行ったときにそこの店主の方に次の話を聞きました。

 

「おみやげは受け取らないのです」

 

「おみやげをあげる側の人たちは残念がるのではないですか?」

 

「いや、むしろ、理解してくださいます」

 

私はこのインタビューの中で深い気づきを得ました。

 

「現在の包装は相手を思いやる気持ちが過ぎて、過剰包装になり過ぎているのではないか?」

などの問題を日常の生活の中で考え直すきっかけになるように、

あえて「お土産は結構です」と言われるのです。

 

一見無礼に聞こえることですが、

ここ上勝では、その在り方を通してその奥にある理由を皆さん理解してくれるとのことでした。

 

 

ゴミにならないおみやげとは何だろう?

今までほんとに差し上げる方のことを思っておみやげを贈っていただろうか?

無駄なものを差し上げてきたのではないか・・・。

普段の生活の中に無駄で不要なものを取り入れ続けているのではないだろうか・・・

一切の無駄を排除したその先にあるのはなにか?

 

 

有り余る「もの」の中にはない。

 

 

無駄を省いたシンプルさの先にある・・・。

 

 

手間暇をかけるものの先に豊かさがある。

 

 

省いてもなお伝えたい「喜ばせたい」という気持ちの中にある豊かさ・・・

 

 

 

今の現代社会は「大量消費 大量生産」の洗脳の中にいます。

テレビやラジオ、インターネットをみれば「ものを買わせる」構造で全てが動いています。

 

 

でも、地球は有限です。

 

 

地球にある資源は有限であり命を分かち合っていただいています。

その限界点が見え始めている今、私たちは「買い物をする」という段階ですでに意識の転換が求められているのです。

 

 

買い物は投票です。

 

 

この地球を残したいと思うのか?

それとも汚染して破壊したいと思うのか?

 

その投票が日々の消費生活で問われているのです。

 

 

 

この場をお借りして上勝町の皆様に、

撮影にご協力いただいたこと、

大変有意義な時間を過ごさせていただいたことを感謝申し上げたいと思います。

 

ありがとうございました。

 

《関係図書》

・「買い物は投票なんだ」

https://www.amazon.co.jp/買いものは投票なんだ-藤原ひろのぶ/dp/4866809000/ref=sr_1_1?hvadid=386912137382&hvdev=c&jp-ad-ap=0&keywords=%E8%B2%B7%E3%81%84%E7%89%A9%E3%81%AF%E6%8A%95%E7%A5%A8%E3%81%A0&qid=1572841029&sr=8-1

 

・「地球の処方箋」(白鳥哲編)

http://officetetsushiratori.org/ca117/411035/p-r-s/

 

 

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