時々日中は暑く感じる時もありますが、朝は涼しい風が感じられるようになりました。過ごしよい気候を追い風にしたいですね。 

 

 今回は音声言語以外を使ったコミュニケーション方法を一つご紹介したいと思います。以前にブログで絵カードを使ったPECSをご紹介したことがありました(https://ameblo.jp/officeslowlife/entry-12558187430.html)。マママでは、音声言語への橋渡しやコミュニケーション優先などを目標に、PECSの他にも、ジェスチャーなどその子にぴったりなコミュニケーション方法を探して取り入れています。その一つが文字、主にひらがなを使ったやり方です。 

 

 

 

 マママに来る子供たちの中には文字に強い関心を持ち、どんどん覚えていく子がいます。そんな子たちの中で、声に出す課題が進みにくい場合には、このようなひらがな表を使ったコミュニケーションを教えることがあります。 
 

 音声模倣が難しいYちゃんもその一人です。 
 
 まずすべてのひらがなを一文字ずつのカードを使い受容的命名(「あ」と言われたら「あ」と書かれたものを選ぶ)の形で教えます。次に、実際に使う上記の表でも同様に言われた文字を指差せるようにします。それを徐々に単語単位で出来るようにし、今度は質問の答えを指させるようにします。たとえばYちゃんは「これ何?」と聞きながらみかんの絵を見せると、「み・か・ん」の三文字を順番に指させます。他にも「ぱ・ず・る」など欲しい物を要求する練習もしています。難しいのが「っ」や「―」の入った言葉ですが、これらも大人が言いながら一緒に指さしたり、書いた文字を見せたりしながら練習することでできるようになっていっています。すごいね(*^^)v 

 すぐに使えるコミュニケーション手段として文字を使いつつ、並行して音声言語の訓練も続けていきます。マママを卒所したRくんも同様にひらがな表を使ったコミュニケーションを取り入れ、「これ何?」だけでなく色々な質問に応答することができるようになっていました。その後徐々に声に出す方の力も伸び、小学生の今ではお話ができるようになっていると保護者の方から嬉しいご報告もありました。 

 

 思いを伝えられる方法を得られれば、少しでも生活が楽になるはずです。PECSでも文字でもジェスチャーでも、その子に合った方法を一緒に探して取り入れていくことは、コミュニケーションの保証という点でもとても大切な支援だと思います。 (あ)