フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」に思う | 尾張エクセルの「日々精進ブログ」

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『真珠の耳飾りの少女』は、オランダの画家「ヨハネス・フェルメール(Johannes
Vermeer)」作の絵画であり、彼の代表作の一つで、小生のお気に入りの作品である。
「青いターバンの少女』・『ターバンを巻いた少女』とも呼ばれて、オランダのデン・
ハーグの「マウリッツハイス美術館」が所蔵する。
口元にかすかな笑みを湛えるかのようにも見えるところから「北のモナ・リザ」とも
称されている。
制作されたのは、1665年と推定されている。フェルメールが33歳の頃で、画家と
して安定した技量を発揮しつつあった時期だが、異論がないわけではない。この少女の
モデルは、フェルメールの娘「マーリア」との意見もあるようだが、可能性は低い由。
ただし、本作の構図はきわめて単純で、少女の上半身が描かれているだけで他に年代を
推定できるような物品や背景がなく、この少女の特徴である青いターバンもまったくの
異国の風俗であって、オランダ社会のファッションの移ろいとは無縁であるなど、時代
から隔絶した趣が強く感じられる。
 
小生は、2012(平成24)年7月、「50+」を利用しての1泊2日の東京小旅行
であったが、往復新幹線「のぞみ」グリーン往復と「赤坂のホテルモントレ」朝食付き、
東京メトロ1日乗車券付で行きで18800円のお値打ちフェルメール鑑賞旅行をした。
この小旅行の目的とは「フェルメールを求めて…」であって、1日目の「フェルメール・
センター銀座」での「フェルメール光の王国展」や、2日目の 上野の東京都美術館展で
開催された「マウリッツハイス美術館展」で、フェルメール;「真珠の首飾りの少女」を
拝見して、その素晴らしさに虜になった。
1日目には、銀座;松坂屋裏の「フェルメール・センター銀座」でにて、フェルメールの
全37作品をリ・クリエイトした展覧会「フェルメール光の王国展」を拝見。
画家の故郷であるオランダの「フェルメール・センター・デルフト」から提供された画像
データを基にして、作品が描かれた ほぼ350年前の状態に、最新技術で忠実に再現した
原寸大の複製画展であるが、全ての作品を鮮やかな色彩で、年代順に一か所で見て回れて、
写真も自由に撮れるというので、かなりの人気を呼んでいた。
約二時間かけて、ゆっくりと鑑賞。額に入れた複製画販売では 「真珠の耳飾りの少女」が
やはり売れ行き一番のようであり、二番手が「デルフトの眺望(風景)」だった。
2日目の上野の東京都美術館展で開催された「マウリッツハイス美術館展」は、この作品
を所蔵するマウリッツハイス美術館が改修工事をするために、閉館せざるを得ない状況で
あったため実現したという。この展覧会でフェルメールの「真珠の首飾りの少女」を拝見
して、その素晴らしさに虜になった。

 
また、闘病生活中の昨年に訪れたフェルメールの作品(複製画)多数を展示した大塚国際
美術館でも、陶板名画を鑑賞した。複製品には代表作;「真珠の耳飾りの少女」や、まだ
日本に来日したことのない「デルフトの眺望」などが展示されており、原寸大で複製名画
が鑑賞できる。
「真珠の耳飾り」に注目をする。現在ではイヤリングといわれる装身具である。輪郭線は
用いず、光の反射だけで直径2cmはありそうな大粒の真珠を写実的に描いている。
反射は斜め上から差し込む光による明瞭なものと、少女の服の白い襟に反射した光による
ものぼんやりしたものがあり、立体感を生み出している。
1994年の補修の結果、それまであったもう一つの小さな反射と見えたものは、以前の
補修に際してはがれた絵の具が裏返しになって画面についてしまったものだと判明した由。

 
「ターバン」に注目する。フェルメールの作品の多くに言えることであるが、この作品の
場合は特に色の数が少ない。背景の黒を除けば、黄色と青色が主要部分を占めている。
黄と青は補色の関係にあり、その対比は際立って目立つ。
従って、この少女が頭に巻いているターバンの鮮やかな青が 強く印象に残る。この青は、
西アジア原産の「ラピスラズリ」という宝石から作った非常に高価な絵の具を用いたもの
である。「純金よりも高価」だったという「ラピスラズリ」を、ふんだんに使った独特の
「ウルトラマリンブルー」は、確かに見る者に深い印象を与える。
もともとこのターバンが人々の目を引き、『青いターバンの少女』・『ターバンを巻いた
少女』とも呼ばれてきた。
 
「唇」に注目する。下唇を明るく光らせて、上唇の輪郭をぼかすことで若々しく瑞々しい
質感が出されている。
1994年からの補修によって、少女の唇の左端(画面で見ると右端)に 白のハイライト
があること、また唇の中央部にも小さな白いハイライトがあることも明らかになった。
これらは、唇の濡れた感じを示す効果がある。
口元は少し開き加減で、鑑賞者には何かを言いたそうに見え、また微笑しているようにも
感じられる。いずれも強い印象を与え、想像力を刺激される。これが、『モナ・リザ』に
たとえられる所以である。
 
フェルメールの作品は、多くが豊かな社会へ向かう当時のオランダの人々の生活の断面を
とらえた「風俗画」と呼ばれるジャンルに属している。しかし、この少女像は、そうした
当時の画家の主題からも孤立している。黒だけの背景で人物を浮かび上がらせていること
から、「トローニー」とよばれる人間の頭部を描いた習作の一種とする見方もある。