日経新聞朝刊の「プラス1」に掲載の「人生に役立つ相場格言」からの加筆引用である。 |
金融相場で長年にわたって共有されてきた投資格言。山あり谷ありの修羅場でもまれて
おり、人生の大きな決断に生かせるものも少なくない。
人生にも役立ちそうな格言を選んで紹介する。今回は、「売買のタイミング編」である。 |
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【もうはまだなり まだはもうなり】
「売買のタイミングの見極め」の格言である。 |
上昇相場で「まだ上がる」と 思ってはいても、「もう売り時」かもしれず、下落相場で
「もう底値だ…」と思っても「まだ下がるかも」かもしれない。 |
言葉の意味は、「もう底だと思えるようなときは、まだ下値があるのではないかと 一応
考えてみなさい。反対に、まだ下がるのではないかと思うときは、もうこの辺が底かも
しれないと反省してみてはどうか」というものだ。 |
米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏の名言にも「他者が貪欲な時に恐怖
心を抱き、他者が恐怖心を抱いている時こそ貪欲であれ」とある。
「他の人の動きに流されず、自らの指針に従う行動が必要だ」と説くこの格言は、人生
の岐路にも役に立つものだ。 |
つまり、微妙な相場の変化に対して、自分だけの独善的な判断を振り回すことが 如何に
危険であるかを説いた言葉といえよう。 |
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【二度に買うべし 二度に売るべし】
「タイミングを分ける」という格言である。 |
投資を始めるときに、いきなり大きな金額を投じて売買するのでなく、まずは 様子見で
少しだけ売買する慎重さが重要である。 |
一度で大きなリスクを取るのではなくて、少しずつ挑戦することの必要性は、人生でも
まったく同様である。 |
自分の判断が 本当に正しいかどうかは、結果を見てみなければ分からない。買ってみる
か、売ってみるかして、さてどういう結果が出るか。当たりか、それともはずれか…。
いくら自信があっても、相場がそのとおりに動く保証はまったくないのである。
「相場は相場に聞け」ではないが、まず相場にさぐりを入れてみる。つまり打診をして、
自分の判断の当否を確かめてはどうか。その結果、予想通りであることが分かったなら、
そこで初めて本格出動してもまだ十分に間に合うはずだ。
一度にどっと出ていって失敗することを考えれば、このくらいの手間ヒマは、惜しむに
価しない。いわば、「石橋を叩いて渡る」が如き慎重さが、株式投資には何よりも必要
となる。「二度に買うべし 二度に売るべし」は、その慎重さを説いた教訓である。 |
同時にこの教訓は、「一度目の買いで得た自信と確信が、二度目の買いを力強く支えて、
したがって思い切った行動がとれる基盤となる」という効用も説いている。 |
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【頭と尻尾はくれてやれ】
「欲張りすぎないことが重要である」という格言である。 |
相場の最も安い水準や高い水準を確認してから、その水準から 高くなったり安くなった
ところで売買するという格言である。相場のピークやボトムを予想して、売買に 成功し
続けるのは不可能に近いだろう。ほどほどで満足するという考え方は、人生にも通じる。 |
「頭と尻尾はくれてやれ」の本質的なところは、「利益が出たところで終わりましょう・
利益が出たところで手を打つべきですよ」といった点にあると考えられる。 |
自身が売ったあとに株価が更に上昇したとしても「その儲け損ねた利益は 他の人たちに
あげますよ」といった意味合いとなり、その儲け損ねた利益を指して「頭や尻尾」という
比喩だともされている。 |
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【三割高下に向かえ】
「欲張りすぎないことが重要である」ことを戒めた格言である。 |
相場が上がれば、際限なく欲の爪を伸ばし「とことん上がるまで売るものか」というタイプ
の投資家が多い。その欲が災いして、取れるものも取れずに、あまつさえ損勘定になって
しまう例も多いようだ。 |
そこで、あらかじめ目標を立てておき、「何割上がったら後はどうあろうとも利食い売り
しよう」とする戦法がある。ただし、これは波乱含みの相場には通用しにくい面がある。
普通の穏当な値動きのときだけに応用すべきだろう。例えば1000円の株式を買ったら
3割高の1300円で売るわけで、いわば「投資資金の効率(回転率)を高めよ」という
教えである。むろん この戦法をとる限り、余計な迷いを寄せつけないという効用もある。 |
そうした個別の株式に対する戦法を教える他に、相場全体の動きを把握する意味も持って
いる。つまり「3割」というところは、「上げにしても下げにしても一つの転機になる」と
いうものだ。したがって、ある出発点から3割上がったところは「売り」、3割下がった
ところは「買い」のサインと見るわけである。2割、3割の高下(高安)まではその相場
の流れに従うのが自然というべきだろう。 |
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【買いは技術、売りは芸術】
「始めるよりも、やめる方が難しい」という格言である。 |
株を買うタイミングの見極めは 学習をすれば身につくが、株を売るタイミングを見極める
にはセンスや才能が必要とされる。投資を考えるときに 「企業の業績見通しや財務情報、
株価水準などを調べれば買いの判断がしやすい」ものである。 |
この相場格言は、株価の上昇・下落のスピードの特徴を例えた言葉であり、株を売却する
タイミングが難しいことを教えている。 |
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