蕎麦つゆ造りの譚 | 風流道楽堂

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私、佐藤伸之の日々の徒然を気まぐれに綴ってゆきます!


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僕が家で料理する時、化学調味料は出来る限り使わない様に心掛けている。
身体に悪いと思ったのが始まりだが、
様々な材料で工夫し、手間を惜しまず出汁を取る事が何だか楽しいし、
その方が上品な味になるような気がしている。
また、もともと濃い味の僕が近頃は薄味で満足出来る。
味覚が敏感になって来ているのだ。
そうすると、感じる味は格段に増え、更に料理は上達し楽しくなる。
ひとつデメリットが有るとすれば、コストと時間は確実にかかる点だ。
しかし、満足度合いや健康を考えると、そんなものは微々たる物でしかない。

という訳で、先日僕は蕎麦つゆにチャレンジ!
これ迄、幾度となく敗れて来た蕎麦つゆ作りである。
ここで無謀なのが、僕は出来る限りレシピは、

料理本を見ない!

教わらない!

でも見たり聞いたりした事は何でも応用!

まずは味わった物を想像して、再現する事に挑戦する。
大抵の人は「無謀なエセ料理人」と呼ぶ。
しかし、味覚を鍛え、想像する事は脳トレにもなると言うし、
何しろクリエイティブな仕事をする者にとっては、
こういう事が大切な気がして、
この無謀なチャレンジを繰り返して来ているのだ。

しかぁし!

それ故に、味は悪くない迄も怪しい料理が出来上がる事も多い。
蕎麦つゆに至ってはこれ「甘過ぎ」「しょっぱい」「渋い」
など、なかなか難しい。特に何となく味が尖ってしまい、
バランスが取れないのだ。
さてさて、どうしたものか・・・
蕎麦好きの僕としては何としてもクリアしたい難関である。
出汁に大量の鰹節に鯖節。
かえしに醤油、みりん、砂糖のみが恐らく基本形だと思うのだが、
暖かいつゆでも食べたい時は
出汁に昆布、どんこ(乾燥椎茸) なんかも追加してみたりする時もある。
この時点で、すでに蕎麦つゆとしては邪道かもしれないが、
まあ好みなので・・・
今回の出汁は鰹節を大量に使用し、鯖節は1/4程度にしてみた。
まずは水に日高昆布をぶち込み煮る。
沸騰する直前に昆布を取り出し、削り節をぶち込む。
さらにどんこの戻し汁を加え、強火で煮る!
灰汁を取りながらひたすら煮る!
煮立てず、お湯が踊る状態で見守るのだ。
蕎麦のつゆに関しては、通常の出汁と異なり、
強火で煮る事で味の力強さが出るのだそうな。
そんな話を昔、聞きかじったのを忠実に守っている。
そして量が半分くらいになったら出し殻を取り除き、
暫くの放置プレイ。
その間に、かえし造りスタート!
鍋にみりんを入れ強火でアルコールを飛ばし、砂糖をぶち込む。
そして大量の醤油を投入!中火で踊らせます。
そして、先に作っておいた出汁と合わせ、
更に放置すること冷蔵庫で二晩。

二日後につゆを詰めた瓶を開けてみると・・・
花が咲く様に広がる醤油と出汁の解け合った香り!
盃に小さじ一杯とって味見をしてみる。

「うむ・・・中々に良い味じゃ。」

少々個性的だが、市販の蕎麦つゆよりは 遥かに美味い!
僕の好みは、やや強めの醤油にほんのりと甘みとうまみが
絡んで来る、上品だが締まりのある感じとでも言うのか、
猛々しさを秘めたまろやかさとでも言うのか、
大袈裟だが、そんな蕎麦つゆが好なのである。
そして今回は!

僕好みの燻し銀な味わいの 蕎麦つゆ完成である。
早速、蕎麦を堪能した。

ここで登場は 「山形産、寒河江蕎麦」!

我が家のオフィシャル蕎麦である。
強い蕎麦の香りと強いこし、気取り無く啜る事の出来る
程よい太さ。舌だけではなく、のどごしで感じる美味さ。
暖めても延びにくい、冷温どちらでも行けるという守備範囲の広さ。
派手さは無いが、しっかりと印象づける味わいには愛情すら覚える。
乾麺なのに、他の生麺より遥かに美味い。
蕎麦喰いの僕を満足させるに足る一品である。

まずはこの寒河江蕎麦をもりで堪能。
香りの強い蕎麦に負けず、しかし争わず、
見事なハーモニーを奏でる我が蕎麦つゆ。
満足の一品!

次には創作料理
「青ネギと茸いろいろと挽肉の蕎麦つゆあんかけ丼」
を勢いに乗って製作。
味は上々!調味料としても使える。大成功である!

約2リットルの蕎麦つゆ造りに、製作時間三十分、
寝かしに二日、金額は高級日高昆布に、各種削り節、 どんこ、
その他諸々足しても二百円~三百円。
僕の労働時間はプライスレス。
高いか安いか? 満足度はかなり高い!
今後の予定としては、この蕎麦つゆにどんどん造り足して行き、
秘伝の蕎麦つゆとして行く事を画策中である。