心理検査というと、かつては性格検査を思い浮かべる人が多かったのですが、

最近は知能検査のことを思い浮かべる人が多いようです。

 

特に、子どもの場合、「検査を取る」というと、知能検査を取ると考える親御さんが多いです。

 

たまに、知能検査の成績を上げるために、がんばる(?)親御さんがいます。

 

私たち心理職が知能検査を取るのは、知能を知るというより、その人が生活していく上で生かしていけるリソース(資源)を見つけるためのことが多いです。

同じ知能でも、暗記する力がある場合、言葉を上手に使える場合、物事を把握しててきぱきと判断して動くことができる場合と、いろいろです。それによって支援方法も変わるし、勉強の仕方も変わります。

最近は子どもに知能検査をするだけではなく、親御さんに子どもの生活適応能力を聞く検査を同時にする場合もあります。

これによって知能は高いのに生活適応能力が低い場合や、逆に知能は低くても生活適応能力は高い場合などが分かります。これによっても支援方法が変わります。

大人の知能検査をする場合も、もちろんあります。理由は同じです。

うまく適応できないことが、実は耳から入ってくる記憶力が悪いせいだと分かったり、空間を把握できないために片づけられないのだと分かったり。これらは努力ではどうにもなりません。工夫が必要ということになります。

 

こういう方の中には怠けている、だらしがない、やる気がないと怒られ、自己評価が下がってしまっている方がいます。でも全ての能力が高い人で世の中が成り立っているわけではありません。

 

いろんな人がいて、お互いに助け合って生きていけるやさしい社会であってほしいと思うのです。