中学入試 社会
 受験古文から文法が後退して行くのと軌を一にする様に、受験社会も本来とも言うべき「社会を捉える」目標、目的、目安に回帰。2024年、3000万人の外国人観光客が外貨を落とすと同時に、及ぼす負の影響を地頭で考える設問である。
 社会を暗記と捉える層には衝撃だろう(暗記って既得権に過ぎない。此のAIの時代に先に覚えた者が優位って違和感。ただ覚えただけで)。新しい視座を提供する革新的な小僧が1人、2人出れば、旧世代も震撼して蟄居(ちっきょ=静かになる)する。

 問1  考え方 主語はオーバーツーリズム、素材は日常的、共感を得られる生活にみられるもの。加藤なりに3つ挙げると

その1  オーバーツーリズムの影響として、外国人観光客が消費、観光した後のごみの増加が予想出来、地域や自治体の負担が増える。

その2  一回きりの消費ゆえ、オーバーツーリズムの観光客は法外の値段でも支払うだろう。結果、地域の諸物価が値上がりする可能性がある。

その3  オーバーツーリズムは時流によって大きく変化する。ブームが去って誰も訪れる者もなく、閑散とした街は以前以上に衰退する虞(おそれ)がある。

問2 オーバーツーリズムへの対抗策を問う良問。12歳の知性、フル回転ですよね

2つ挙げると その1  オーバーツーリズムの緩和策として、平日観光へと誘導する。即ち宿は勿論、土産物屋も飲食店も土日に比べて割り引くのである。混雑の平準化が予想出来る。

その2  オーバーツーリズムの観客をより遠い東北、山陰、四国など未だ外国人に知られてない地域へ誘導。3000万人が京都・東京に集中する現状自体を分散化すると混雑も緩和されるだろう。