●幸せなお金持ち短編集「番外編：わたしの夫、時生という人」マヨ♪

＜お詫び＞

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申請しても何の連絡もありませんｗ

なので、

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＜時生ショートストーリー番外編＞

うちの夫、時生（トキオ）は
ちょっと変わってる。

　

いや、かなり変わってる。

　

この前なんて、真顔でこう言ったの。

　

「ポストに、

お金の神様から手紙が届いてたんだ」

　

もう、開いた口がふさがらない。

　

それなのに。

　

私の好きなちょっと高い梅干しを、
ある日、こっそり買ってきてくれた。

　

「たまたま見つけたから」
って何気なく差し出したけど、

　

その“たまたま”は、
たぶん商店街の3軒くらい回ってる。

　

思わず笑って、

　

「お金の神様でも降りたの？」

って聞いたら、

　

「いや、ポストから来た」

って返された。

　

もはや意味がわからない。
でも、ちょっと胸があったかくなる。

　

そういえば、昔のあの人は
財布の中にポイントカードを
何十枚もパンパンに入れてた。

　

ファミレス、ドラッグストア、電器屋、
なんなら一度しか行ったことない
謎のガソリンスタンドまで。

　

でも、最近はめっきり見なくなった。

　

たぶんどこかで、
「何かを貯めるより、
今を味わう方が豊かだ」って
気づいたんだと思う。

　

夜になると、
便せんに何かを書いている。

　

「未来の自分に、

お金の使い方を報告してるんだ」

って、誇らしげに言うその顔が
ちょっと子どもみたいで笑える。

　

最初は
「また変なこと始めたな…」

って思ってたけど、

　

その紙には、
私との何気ない一日が
“今日のベスト使い道”

って書いてあったりして、

　

なんかもう、
それだけで全部チャラになるんだよね。

　

高級なアクセサリーでも、
記念日ディナーでもなくて、

　

商店街で見つけた梅干しひとつが
いちばん心に残ってる。

　

「これ、好きだったよね？」って
照れくさそうに渡されたあのときの顔。

　

ちゃんと、見てくれてたんだなって思った。

　

今日も靴下は左右バラバラで、
洗濯物はぜんぶ裏返しだった。

　

でもまあ、
そういうところも含めて──

　

「なんか、いいな」