開場40周年記念公演
『遊行柳』
今年最後の観能は喜多流・塩津哲生師。
今迄沢山ご教授頂いた「気合の人」の『遊行柳』は、平成21年11月以来二度目の鑑賞。
三日前の観世恭秀師の舞台の直後なだけに、立会能を拝見する様な心で臨もうとしたが
実際にはそんなことはどうでも良くなっていた。
塩津師の舞台は、<只、見て居れば佳い>という気がしているこの頃・・。
とりあえず、「舞台は観てみなければ分からない。」
という事を一番にお伝えしたい。
「源氏物語」は謡曲の母。
と云うが、源氏物語を主題にした13の現行曲の他にも
源氏物語の和歌やテーマを基歌とした曲が数多く有り、
『遊行柳』もそのうちの一曲。
「草木シテ」の中でも様々な色合いが有るものだという事に気付いてからは一層面白味が増した。
そうした事を<能の気合>の中から魅せてくださる
塩津師の、美しい謡にもしかと聞き入った。