初航海で醜態を晒してからも何回か出港し、慣れやコツを掴んで船酔いもしなくなってきた頃。


長期航海の予定が持ち上がりました。



航海計画の全体は原則一部の者しか知らなかったと思います。

それでもなんとなくどのくらいの期間だというのは知っている人が多かったように思います。



その期間、約半年。

出港が冬、帰港は夏の予定でした。


このどこまでも続く海を四方へ駆け回ります。

行進曲にある「御国の四方を護るべし」といった感じ。


学生の頃よく帆船小説を読んでいた私は心躍らせていましたが、可哀想なのは先日配属された後輩達でした。

長期出港が初航海になるのです。



ここからのお話は私の自衛官歴、いや人生の中で最も思い出深いものとなります。

広大な自然との触れ合いから「不審船」、遭難、空を飛ぶ砲弾やミサイル、空母や戦闘機、赤毛の女性から大統領まで出てくる旅の始まりでした。



時が経つごとに薄れる現実感。

半年で溜まるのは かけがえのない思い出と 尋常じゃないストレスと 海の上では使えない給料。