BJに散る・・・!?
時は一年と半年前。
アメリカはネバダ州ラスベガス、ホテルベラージオの噴水前で勝利の誓いをたていざ戦いの場へ・・・。
とりあえず何はともあれO(オゥ)の劇場から程近い$25ミニマム(最低ベット金額)の台へ陣取る。
落ち着いて勝負をするのにはコーヒーが必要不可欠だ。
カクテルウェイトレスを呼び止め笑顔と共にオーダーを伝える。
さて共に戦う戦友は・・・
①でっぷり太った白髪のアメリカ人男性、推定63歳
②ターバンを巻いたいやらし顔のインド系男性 推定34歳
③いかにもエリート然したアジア系のビジネスウーマン 推定30歳
④小太りの顔がしわくちゃなアジアンおばちゃん 推定58歳
そして俺。
席順は①⇒②⇒③⇒④⇒俺
最初と最後の席が空き
周りを見渡している間にも勝負は続いている。
とりあえず流れをつかむまでは様子見だ。
$25の賭け金を取ったり取られたりしていく。
そのうち一番左の席(つまりは俺の左)に40歳前後の白人オヤジが陣取った。
短パン。アロハ、サンダルというくつろぎスタイルだ。
ポケットから無造作に取り出すチップには様々な色がほどこされている。
最初の賭け金は$25
勝った
次も$25
負けた
次は$50
負けた
次は$100
勝った
次は$25
・・・・・・・・・・・・・・・
そう、この人は負けたら賭け金を倍にして勝負にいく、いわゆる倍倍ゲームをやっているのだ。
この賭け方ならば資金が尽きない限りどこかで勝てば必ず勝ち続けることができる。
しかしそれを許さないのがカジノなのである。
ミニマムベットが決まっていればマキシマムベットも決まっている。
ここホテルベラージオではミニマム$25に対し、マキシマム$5000。
まぁミニマムの金額で悩んでいるような一般人には縁の無い話である。
白人オヤジは淡々と勝負を続けている・・・・かのように見えたのだが、負けるたびにディーラーに「次はいくらだっけ?」と聞いていた。。二倍の計算くらいできるようになろうぜ。
そしてその時はやってきた.
上記のテーブルレートだと倍倍ゲームの場合、ミニマムベットから八連敗すると上限に達する。
つまり八連敗したら上限である$5000をかけてもそれまでに賭けた賭け金を取り戻せなくなるのだ。
連敗の数が増えるに従いオヤジの顔が悲痛になる、怒号が飛ぶ、周りからは哀れみの声が・・・聞こえはしない。
どちらかというとそんな賭け方で場の流れを乱され、回りはいい迷惑なのである。
勝ちでも負けでもいいからさっさと他へ言ってくれと、みんなそんな顔だ。
まぁ中には自分の金であるかのように一緒になって喜怒哀楽を表現している人もいるわけだが。。
さて勝負に話を戻す。
白人オヤジの手元のチップがだいぶ減った。
最初の$5000勝負。
オヤジ10+7=17 ディーラー5+5+8=18 オヤジの負け
次の$5000勝負。
オヤジ9+4悩むディーラーのフェイスカードは8、厳しい目だ。
悩んだ末オヤジHIT6=19 ディーラー10+8で18 オヤジの勝ち
三回目の$5000勝負。
オヤジ8+10=18 ディーラー10+10=20 オヤジの負け
四回目の$5000勝負。
オヤジ7+8・・・・最悪だ、ディーラーは7を見せている。
オヤジhit7=22きわどくBUST ディーラーA+7=18 オヤジの負け
すでにオヤジはテーブルに突っ伏し気味。
すでに$15000近くやられている計算だ。
もうチップは安い色しか無くなっている、もう取り戻すことは不可能だ。。。
ディーラーも申し訳なさそうな顔をしながらも他の人との勝負を続行する。
うなだれるオヤジ。。。
と、そこへでっぷり太ったオヤジが意気消沈オヤジの背後に登場!
なにやらでっぷりオヤジの方が格が上っぽい。
でっぷりオヤジのポケットから光り輝くチップ登場!
うなだれたオヤジの前に置かれる。
リベンジ戦最初の$5000勝負
TEAMオヤジ 10+10=20 ディーラー10+9=19 TEAMオヤジ勝利!
二回戦
TEAMオヤジ 7+5=12 ディーラー6+9+10=25BUST TEAMオヤジ勝利!
三回戦
TEAMオヤジ 8+9=17 ディーラー5+4+9=18 TEAMオヤジ敗北
四回戦
TEAMオヤジ A+8=19 ディーラー7+8+2=17 TEAMオヤジ勝利!
五回戦
TEAMオヤジ 3+6+10=19 ディーラー4+A+8+10=23BUST TEAMオヤジ勝利!
4勝1敗で負けを取り戻した。
そして最後の勝負・・・
六回戦
TEAMオヤジ 3+5+10=18 ディーラー6+6+10=22BUST TEAMオヤジ勝利!
・・・・・
こうして瀕死状態だった意気消沈オヤジはパトロンの出現でTEAMオヤジとなり
最終的に$5000超の勝利に戦いを終えたのである。。。
最初に書きそびれたが、これはこんなオヤジを含めた勝負師達のストーリーである。