【笠原健の信州読解】

 これまで長野県のことを中心に書きつづってきたが、今回はちょっと話題を変えたい。いよいよ小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰ってくる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のホームページには「帰還カウントダウン」の特設サイトも立ち上がっている。さまざまなトラブルに見舞われ、満身創痍となりながらも地球を目指している「はやぶさ」。無事に帰還を果たした暁には日本の、いや世界の宇宙開発史に偉大な足跡を残した「はやぶさ」を盛大に祝ってやりたい。そこで「はやぶさ」に国民栄誉賞を贈ることを提案したい。

 平成15(2003)年5月9日に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた「はやぶさ」が搭載したカプセルは、今年6月13日午後11時ごろ(日本時間)に地球に再突入し、オーストラリアのウーメラ砂漠に着陸する予定だ。

 地球と火星の間の軌道を回る小惑星「イトカワ」を目指して地球を旅立った「はやぶさ」は17(2005)年11月に「イトカワ」へ着陸。人類史上初めて小惑星への着陸と離陸を成功させた「はやぶさ」は5月12日現在、地球から約1360万キロ離れた宇宙を航行中で、地球への帰路を急いでいる。

 「はやぶさ」はほぼ7年に及ぶ旅路で数々の偉業を成し遂げた。地球の重力を利用して軌道の方向や速度を変える地球スイングバイの活用、新型イオンエンジンでの航行、地球から約3億キロも離れた小惑星への着陸と離陸。そして、小惑星のサンプル採取にも成功しているかもしれない。

 同時に「はやぶさ」は多くのトラブルにも見舞われた。姿勢制御装置の故障、7週間にも及ぶ通信の途絶、搭載しているイオンエンジン4基のうち3基が故障…。地球に帰還できず永遠に宇宙をさまよい続けなくてはならないような事態にも遭遇したが、JAXAのプロジェクトチームによる不眠不休の対処で切り抜けてきた。

 JAXAのプロジェクトチームはもちろんのことだろうが、トラブルに直面しながらも故郷の地球に向かってひたすら飛び続ける「はやぶさ」のニュースが流れる度にハラハラ、そしてドキドキした人も多いのではないだろうか。

 「はやぶさ」はいつの間にか擬人化され、小惑星「イトカワ」の岩石を採取して地球に持ち帰るという「おつかい」が成功するかどうかがネットでも話題になった。かくいう私もいつの間にか「はやぶさ」に感情移入してしまい、「がんばれ、はやぶさ」と胸の内でつぶやいた一人だ。

 なぜ、ここまで「はやぶさ」に対する共感の輪が広がったのだろうか。それは未知の世界、苦難の道に懸命に挑み続ける「はやぶさ」が人々に夢を与え、そして「はやぶさ」をなんとかして地球に帰還させようとしているプロジェクトチームの奮闘ぶりが胸を打ったからではないか。

 国民栄誉賞は、その目的として「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者について、その栄誉を讃える」ことを掲げている。「はやぶさ」が果たした役割は十分にそれに該当するのではないだろうか。

 これまで、国民栄誉賞は物故者を含む個人に贈呈されてきたが、ここは柔軟に対応してもいいのではないか。ノーベル平和賞も個人ではなく国連や国際原子力機関を受賞の対象としたことがある。小惑星探査機を対象とすることに違和感が残るというのなら、幅を広げてJAXAのプロジェクトチームも含めればいい。内閣府人事課に聞いたところ、国民栄誉賞の対象は必ずしも団体を排除していないという。

 巨額の予算を要するケースが多い科学・技術の振興を取り巻く環境は厳しい。財政難を受けて、いますぐに成果が出ないようなら、バッサリと予算をカットしてしまえというような風潮がまかり通っている感がある。昨年の事業仕分けでは、次世代のスーパーコンピューター開発をめぐって「どうして世界2位ではだめなのか」との発言も飛び出した。権力を握り、それを得意げに振り回す統治者の無理解、不見識ほど怖いものはない。

 「はやぶさ」の活躍は、間違いなくこうした風潮に一石を投じたと思う。成果が求められる科学・技術の世界だって必ずしも「成果主義万能」ではないことを示し、夢や浪漫を追い続ける姿勢も大事だということを明らかにしてくれたと思う。

 そんな「はやぶさ」が6月13日に、搭載したカプセルを地球へ無事に送り届けたら、せめて「国民栄誉賞」を贈って、その労をねぎらってやりたいと思う。(長野支局長 笠原健)

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 西武鉄道(埼玉県所沢市)の社員が磁気定期券を使い運賃の一部を支払っていなかったキセル乗車問題で、同社は11日、不正乗車をしていたのは19人で、支払わなかった運賃は155万810円だったと発表した。キセルはしていなかったものの不正乗車防止システムを解除していた社員が10人、システム解除に協力した社員も7人おり、同社は計36人を処分する方針。鉄道各社には個人で弁済させるとしている。

 同社によると、キセルをしていたのは駅係員17人、車掌2人。最長は自動改札機を導入した01年ごろからの9年で、多くは2~3年続けていた。

 同社員は、自社線内すべて利用できるパスを持っているが、他社線を利用する社員へは通勤定期代を支給している。3年で最高額の107万円分を不正乗車した社員の場合、自宅最寄り駅と自社線への乗換駅からそれぞれ隣駅までの通勤定期券計2枚を購入。システムを解除して使っていた。

 不正乗車防止システムは、自動改札機を通る際、切符や定期券に入出場の情報を記録し、入場記録がないと改札機の扉が閉まる仕組み。

 同社では、定期券購入時にチェックをするほか、システム解除の記録簿を作るなど、再発防止策を取ることにしている。【平井桂月】

 ◇相模鉄道でも

 一方、同様の方法で男性車掌(28)=懲戒解雇=がキセル乗車を繰り返していた相模鉄道(横浜市)は11日、他にも駅員や運転士ら12人が、不正乗車防止システムを解除した磁気定期券を持っていたと発表した。

 同社によると、12人はキセル乗車を否定し「事故などで改札がこんだ時に早く通り抜けるため」と説明しているという。また、解雇された車掌と同期入社の駅員2人が、車掌に頼まれてシステムを解除したことも分かった。同社は処分を検討している。

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 羽生善治名人(39)に三浦弘行八段(36)が挑む第68期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第2局は21日、岩手県遠野市のあえりあ遠野で2日目の戦いが始まった。

 羽生が先勝したあとの本局は、横歩取り8五飛から激しい流れになった。1日目に使った時間は、羽生が三浦より2時間46分多い(第1局の差は2時間16分)。三浦はある程度まで研究をもとに指し進め、終盤に時間を残そうという方針か。羽生は三浦の得意戦法を受けて立ち、臨機応変に対応しようと考えているようだ。

 晴天に恵まれた朝、三浦、羽生の順に対局室へ入った。立会の島朗九段が封じ手を開け「5三桂成です」と読み上げた。

 羽生が1時間考えて決断した封じ手は、自陣に手を入れずに攻め合い勝ちを目指した強気な一手だった。局面はもはや、はっきり終盤といえる。ここで三浦が長考に入った。【山村英樹】

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