わんこも、そして飼い主さんも

ocean style オフィシャルブログ


テーマ:
トレーナー心得 その3

「判断の根拠を明確にする」


「この行動に対しては、こういう方針で行きましょう」ということを、あらかじめ説明する場面があります。
その「こういう方針で行きましょう」という判断の根拠を、出来るだけきちんと飼い主さんに見せようと心掛けています。

何か質問を受けた時。
あるいは、アドバイスをする時。
または、レッスンの大まかな方針を決めた時。

ここには、トレーナーである僕の「こうすればうまくいくはずだ」という判断があります。
その判断の「根拠」を、きちんと見せようと。

トレーナーの仕事というのは、「職人芸」の側面を持っていると思います。
トレーナーが経験したこと、体験したことを、日々のレッスンに活かしていく。
これはこれで、間違いなくそういう部分はあります。
ただ、全てがそれだけではよろしくないだろうと。

たとえば、「こういう時は、無視をしてください」というアドバイスを、飼い主さんにしたとします。
その時に「なんで無視をするんですか?」という質問を受けた場合。

A「僕の経験上、その方がうまくいくから」
B「無視をしてもらうことで、こういう変化が生まれるはずです。
 その変化が生まれた場合は、無視をすることでしか前に進みません。
 何故なら、こういう行動の原理があって、それはこういうもので…」

どちらも「無視をしてください」というアドバイスをしているわけですが、「説得力」は断然Bの方が上だと思うんですね。

「インフォームドコンセント」という言葉があります。
これは、主に医療の世界で使われる言葉ですが、簡単にいえば「何故この治療方針で行くのか?を、患者にきちんと説明する」というものになるかと思います。

僕は個人的に、トレーナーの仕事もお医者さんと同じぐらい、明確な根拠が求められる仕事だと思っています。
でも、どちらかというと、まだまだそういう考えは十分には広がっていなくて、「経験こそが大事だ」という考えが多いなと感じています。
経験を軽んじているというわけではありません。
経験はとても大事です。
でも、それだけではダメだろうと。

経験や勘だけに頼るのではなくて、「こういう論文があって、そこにはこう書かれていて、それと同じケースだと考えられます。同じケースだと考えられる根拠はこういうもので…」と、飼い主さんが納得するまで説明しようと。

人によっては「回りくどい」と感じる方もいるかもしれませんが、僕は大事だと思うんです。
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
「問題行動の原因」について、色々と書いてきました。

「問題行動の原因はどこにある?」その1その2
問題行動の見つけるには? 基本的な考え方

どの記事においても共通しているのは、「行動の原因を、動物の内面に求めても意味がない」というもの。
私たちは、通常「怒っているから噛むんだ」とか、「怖がっているから逃げるんだ」という風に、「内面に行動の原因を求める」という考え方をしますが、↑にある記事でも書いたように、そういった考え方は循環論に陥るため、何も意味を持たないんですね。
そこで、「行動と環境の変化を注意深く観察して、そこに原因を見出していく」という作業が必要になるわけです。

さて、この「行動と環境の変化」に、「原因を見出していく」という作業は、「行動を機能面で捉える」という意味を持ちます。
さっぱり意味がわからない感じでしょうか?
噛み砕いて解説します。


■他の犬に吠えるという問題がある犬の場合

散歩中に他の犬と出会うと、見えなくなるまで吠えてしまうという問題は、結構あったりします。
この問題を「縄張り意識」とか、「他の犬が嫌いだ」とか、「社会化不足が原因」という風に考えても、前に進めていくのはちょっと困難です(困難な理由は、上記記事を参照のこと)。
そこで、行動と環境の変化を見てみます。

 他犬が来る → 吠える → 他犬が去る

「行動(吠える)」と、「環境の変化(来る→去る)」という流れが出来上がっていますね。
ここから導き出される「行動の原因」とは、「他犬が去るから、吠えているんだ」というものです。
これを、「行動の機能」という視点から見るんです。

「他の犬が去るから、吠えている」ということは、言い換えれば「他の犬を遠ざけるために、吠えている」ということになります。
これが、「吠えるという行動が持つ機能」です。


 吠えるという行動の機能:「他の犬を遠ざける」


ということは、犬にとってみれば「結果的に、他の犬が遠ざかればいい」わけです

この視点から見ると、犬は、たまたま「吠える」という行動を選択しただけで、「他の犬が遠ざかる」んなら、別に「吠える」じゃなくてもいいと考えることができます

つまり、↓のような流れでもいいわけです。

 他犬が来る → 飼い主を見る → 他犬が去る
 他犬が来る → オスワリする → 他犬が去る
 他犬が来る → フセをする → 他犬が去る

それぞれ、「飼い主を見てれば、他の犬はどこかに行く」「オスワリしてれば、他の犬はどこかに行く」「フセをしてれば、他の犬はどこかに行く」という流れになっています。
いずれも、「他犬が去る」という「結果」をもたらす流れです。
どれを選択しても、「他の犬はどこかに行く」という結果がもたらされます。
つまり、「他犬を遠ざける」という「目的」は、どの行動であっても達成できるんですね。

私たちでたとえれば、「大阪に行く時」に、電車で行こうが、バスで行こうが、車で行こうが、新幹線で行こうが、「結果的には、『大阪に行く』という目的は達成される」のと同じです。

「他の犬に吠える」のも、まったく同じなんです。

犬は、たまたま「吠える」という行動を「選んだ」だけです。
他の選択肢を、「知らない」だけです。
実際、別に吠えなくても、他の犬はどこかに行きますから。


  「問題となっている行動は、
   どんな機能(なんのために?)
   を持っているのか?」


これが、「行動を機能面で捉える」ということです。

そして、行動を機能面で捉えることで、とても素敵な結果が生まれます。
それは、また後日。
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
トレーナー心得 その2

「飼い主さんに『頑張れ』と言わない」


いつの頃からか、飼い主さんに「頑張れ」と言わなくなりました。
昔は(といっても数年前ですが)、結構言っていたような気がします。

言わなくなったきっかけは、ある飼い主さんとの何気ない会話でした。

その方は、愛犬の問題行動に本当に悩んでいらっしゃって、僕のところに来られる前にも、数人の訓練士さんやトレーナーさんにお世話になっていました。
飼い主さんが言うには、誰に相談しても「頑張れ」と言われたそうなんですね。

「皆さん『頑張ればなんとかなる』って言うんですね。
 悪気はないと思うんです。
 でも、『頑張れば』ということは、
 『今のあなたは、頑張ってない』ってことですよね」

この話を聞いて、「頑張れ」という一言が持つ重みというか、相手に与える影響というのを考えました。
この飼い主さんがお世話になっていたプロの人たちも、決して「今のあなたは、頑張ってない」というつもりで言ったわけではないと思います。
純粋に、励ましの意味で言ったのだろうと。
でも、僕がお世話をさせて頂いている飼い主さん達を見ると、犬のしつけに何万も使って、トレーナーから「あれをしましょう、これをしましょう」と指示を出され、それをこなせば何とかなるんだと、毎日「頑張って」らっしゃるんだと思うんですね。

毎日毎日悩んでしまって、場合によっては夢にまで出てきて、決して安くはない金額をすでに使っていて…
そういう方に、「頑張れ」という言葉を投げかけるのは、実は意外に残酷なことなのかもしれません。

今では「頑張らないでください」と、必ず言います。

頑張ると、どうしても結果が欲しくなります。
でも、相手は犬であり、動物ですから、なんでもかんでも思い通りになるわけではありません。
じっくりゆっくりやって、時間をかけた果てに、「さて、どうなるか?」というのが、しつけや問題行動の改善だと思います。
いわばゴールのはっきりしない、マラソンみたいなもんですよね。
こんなものを、全力で頑張っちゃったら、どうしたって途中で息切れします。
それに、結果が欲しいとは言っても、すぐには出ないのでイライラします。
イライラすると、続けられません。
続けないことには、うまくいきません。

だから、飼い主さんには「あなたが頑張る必要はありません。その分、トレーナーが頑張りますから。肩の力を抜いて、のんびりついてきてください」と言います。

あ、でも中には「頑張っている自分が好きなんだ」という飼い主さんもいらっしゃるので、そういう場合は別なんですけども。

できるだけ楽に、それでもって楽しく、長く続けられるようなしつけを、心がけたいなと。
AD
いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
「問題行動の改善」テーマ、連載再開です。
前回の記事から、随分と間が空いてしまいました。
すみません。


「問題行動の原因はどこにある?」その1その2 では、「原因を、動物の内面に求めると循環論に陥ってしまい、何も説明したことにはならない」「行動の原因は、環境にあると考える」ということを書きました。
まだお読みでない方は、↑のリンクから是非一度お読みください。


今回は、この話をもう少し掘り下げて「どういう風に考えるのか?」という、「問題行動の原因の見つけ方」の基本的な考え方についてお話します。

では、「行動の原因は、環境にあると考える」ということを、具体的に見てみましょう。

まずは、簡単なところから。


「飼い主に飛びつく」という行動


「嬉しくて飛びついている」「さびしくて飛びついている」という説明がされたりしますね。
でもこの説明は、「循環論」に陥ってしまいます。

確かに、この説明でもつじつまは合います。
でも、「本当のところはどうなのか?」は、犬に聞いてみないとわかりません。
そして犬には、言葉は通じません。
「なんで飛びつくの?嬉しいの?さびしいの?」と聞いても、犬は何も答えてくれません。
だからこそ、循環論に陥らないような考え方が、必要になるわけです。

では、どうすれば循環論に陥らずに済むのか?
このように考えてみてください。

 構ってもらっていない → 飛びつく → 構ってもらえた

どうでしょうか?
こういう風に書けば、もう一目瞭然という感じですよね。

「構ってもらえた」という結果が、「飛びつく」という行動の原因と、考えます。
仮に、「どれだけ飛びついても、構ってもらえない」という状況になったら、きっと「飛びつく」という行動はなくなると思いませんか?
ということは、「飛びつく」という行動の原因は、「構ってもらえるから」と考えることができるわけです。


では次に、ちょっと難しいところにいきましょう。


「他の犬に吠える」という行動


「散歩中、犬と会うとものすごく吠えて困っている」
こういった悩みを持っている方は、少なくありません。
では、何故吠えるのでしょうか?

「他の犬が嫌いだから」
「縄張り意識が強いから」

こういった説明をされることがあったりしますが、これもまた「犬の内面に原因を求める」という、いわゆる「循環論」の構図になっているので、何も説明したことになりません

 「何故吠えるの?」→「他の犬が嫌いだから」
 →「何故嫌いだとわかるの?」→「吠えているから」
 →「何故吠えるの?」…以下エンドレス

 「何故吠えるの?」→「縄張り意識が強いから」
 →「何故強いとわかるの?」→「吠えているから」
 →「何故吠えるの?」…以下エンドレス

では、「他の犬に吠える」という行動の一連の流れを、見てみましょう。

 他の犬が来る → 吠える → 他の犬が去る

このような流れになっています。
こういう風に並べて書くと、気づきやすくなると思います。

↑の流れでは、「吠える」という行動の後に、「他の犬が去る」という「結果=環境の変化」が起こっていることがわかりますね。
そこで、次のように考えるわけです。

「他の犬がどこかに行ってしまうから、吠えてるんだ」

つまり、「他の犬が去る」という結果が、「吠える」という行動の原因なわけです。



「飼い主に唸る・噛む」という行動

これもまた、悩んでいる方が多い問題行動です。
この問題行動も、「犬がリーダーになっている」とか、「支配性が強い犬だから」といった説明をされることが多いのですが、ここでもやはり「循環論」の壁が出てきます。
それに、「犬がリーダーになっている」「支配性が強い」といった、俗に「リーダー論」と呼ばれる考え方そのものが、近年ではそもそも否定されつつあります

「飼い主に唸る・噛む」という行動についても、同じように考えることができます。

 飼い主がいる → 唸る・噛む → 飼い主がいない

もうおわかりですね。

「飼い主がいなくなる」という結果が、「唸る・噛む」という行動の「原因」なわけです。


これが、「問題行動の原因見つけ方」の基本です。

しかし、これだけではまだ不十分ですね。

まだ、もう少し考える必要がありそうです。

いいね!した人  |  リブログ(0)

テーマ:
トレーナー心得

こんにちは、ocean styleのトレーナー、高山です。
僕はドッグトレーナーとして、普段から心掛けていることがいくつかあります。
「どんなトレーナーさんなのか?」を知っていただくために、これから「TaKaYaMaがどんなことを考えながら仕事をしているのか?」を、書いていきます。


トレーナー心得その1

「わからないことは、わからないと言う」



レッスンの時や、教室などで飼い主さんからご質問を頂戴した際、「わからないこと」というのはいくつもあります。
そんな「答えがわからない質問」を頂戴したときは、いい加減なことを答えないようにしようと決めています。

たとえば病気に関することですね。
病気に関することは、一応それなりの知識はありますが、あくまでも「それなり」でしかありません。
そんな中途半端な知識でお答えすることは、絶対にしてはならないことだと思っています。
僕が素人判断をして、全然違うことになりでもしたら、大変です。
それに、獣医さんに聞いてもらった方が、確実ですしね。

もちろん、その場でわからなくても、後で調べればわかることというのもたくさんあります。
僕の知識不足が原因です。
そういうときは「調べてきます」と、答えるようにしています。

適当にごまかして、なんとなーく答えようと思えば答えられることもあったりするんですよね。
「嘘も方便」なんていう言葉もあったりしますし。
飼い主さんにしてみれば、「今、ここで答えが欲しい」から質問するんであって、それに対して「わかりません」と答えるのは、ちょっと勇気がいったりします。
時々、なんとなく答えたくなる誘惑に駆られることもあります。
でもそれで答えちゃったら、不誠実ですよね。


「本当はわかってないのに、なんとなくの知識で、適当に答える」

プロとして、やってはいけないことだと思っています。


「わからないことは、わからない」と、はっきり言う。
確実に答えられないことは、答えない。

普段から、心掛けていることの一つです。

いいね!した人  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。