犯罪者顔だよ、ハニー。さっきまでF1見てました。先日も言いましたけど、オープニングは全然去年のヤツの方がイイ。小憎たらしい顔をしたハミルトンや、涙の中に闘志を秘めた表情のマッサとかが、かっこよく表現されていた。でも今年はいきなりシューマッハが、ものすごく怖い顔して出てくる。パッと見シューマッハとはわからないぐらいの怖い顔で、全然クリーンなレースをするようには見えないし、子供はおしなべてみんな泣く。シーズン途中でもイイから、変更を希望します。
さて、先日からちょっと気になっていたこと。片岡義男さんの話をした時、じぇーんさん からコメントをもらって、そういえばそうだ、オートバイ小説というジャンルがあったよな、と。ケンさんもそうだし、片岡さんもそうで、今や巨匠の戸井十月サンも、確か私の認識では、最初はバイク小説家、だったような。
それでね、私の場合という話をする前に、どうしても思い出したかった作家サンがいて。名前がどうしても思い出せないのね。それをさっきからずっと調べてた。ケンさんのエッセイの中に名前が出てくるんだよな、で本棚をあちこちあちこち、ケンさんの本をパラパラ。やっと見つけたよ。
香咲弥須子サンだよ。
ネットで検索してみると、今はなんだかすっかり絵本作家みたいなの?良くわからないけど、最初はバイク乗りの小説集だったのよ。たまたま古本屋で、「彼女のライダーズ・シック」という本を見つけたのね。それで読んでみて、片岡サンやケンさんに繋がる都会的なオシャレ感があって、でもちょっとどこか泥臭かった。変な言い方だけど、土の匂いがしたのよ。青さ加減って云うのかな?その後文庫で出ていたエッセイ集だったか、小説だったかをもう一冊読んだ。
なぜか、今でも良く覚えているのは、そのエッセイだったか、あとがきだったかに書いてあった言葉で、バイクの免許を取ったよ、とおばあちゃんに云ったら、よかったね、コレで夜遅く帰ってきても安心だ。だって痴漢なんかバイクで轢いちゃえばいいんだからね、と言われた、っていうの。
彼女の作品は、残念ながら赤い表紙と、そのおばあちゃんの話だけは今でも覚えているんだけど、内容は全く思い出せない。でも、ケンさんのエッセイの中で、香咲さんの名前を見つけた時に、確か若い少年と、少し年上のお嬢さんの恋愛の話があったなぁ、と。女性作家の小説に出てくる、女性が主人公の小説で、セックスという言葉がとてもステンレスな響きがしたのを思い出した。
香咲さんの本を読んだのは、ちょうど尼崎に住んでいる頃。小説を見つけた古本屋のイメージは今でも胸に焼き付いている。ちょうどその頃、私の移動手段はバイクだった。といっても原付。クルマの免許も持ってなかった。でもスクーターじゃなく、ミッションのバイクに乗ってた。あの頃流行のゼロハンワークス、尼崎時代は、HONDAのNS50Fだったね。
そのバイクに乗って、和歌山にツーリングに行ったり、香川に帰省したり。一度、年末に淡路島から帰ろうと思ったらものすごい嵐で、徳島へ渡るフェリーが欠航してしまった。それでまた引き返して、洲本から西宮までフェーリーで帰って、それから普通にジャンボフェリーで香川まで帰ってきたことがある。朝早くに出たはずが、気が付くと深夜だよ。いくらミッションでも、原付だからね、ヘトヘトで、しばらくあの前傾姿勢で身体が固定されたみたいに、節々が痛かった。
元々、私はあまりモーターサイクルに興味はなかった。目を惹かれたのは、ちょうどその頃島田紳助サンが8耐にまつわる話で盛り上がっていて、まだまだ関西圏内だけだったけど、それに触発されて、バイクに目覚めたのね。
その前に片岡義男さんは読んでいたんだけど、そういえばあまりバイク小説、という捉え方はしていなかった。どっちかというと、ケンさんのオートバイ小説や、エッセイなんかが、私のテキストだったのね。香咲さんもその繋がりで、たまたま見つけた、っていう感じ。オートバイ小説、と呼ばれるモノは、そんなに多くなかったのね。
結局、モーターサイクル熱って云うのは、その頃だけで、あとはバイクは移動手段に限定されてしまって、その時々の行動範囲によってスクーターになったり、ミッションバイクに戻ったり。コメントにも書いたけど、最後にバイクに乗ったのはHONDAのNS-1が最後で、それっきりクルマ生活になってしまった。
でもおかしなモノで、バイクに乗る時のこだわりは、今でもずっと持ち続けているのね。まぁ、たいしたことではないんだけど。
それは、ひとつは絶対にミッション車、って事。バイクに乗っていた時に、最初ミッションが硬くて、よく交差点の真ん中で止まってた(笑)。ガンガンシフトペダルを蹴ったりとかして。でもそのウチ慣れて、コンコンコンとスピードを上げていく度にシフトアップしていく感じ、アレが病みつきになってしまった。
コーナーを攻めて、とかいう走り方じゃないけど、あのせり上がっていくような疾走感が、堪らなくイイんだよね。だから、クルマもゴンゴンゴン、とシフトアップしていく感じがないと物足りない。そして、速度を落とす時のあのフゥォ~ンというエンジンブレーキ。あの何かに押さえつけられるような感じが、運転している、っていう感覚を感じさせてくれるのね。
それに関連して、どうしたってオトッチャマだから、ハングオンで滑り込むー、なんて怖くてダメ。だから、スピードを求めるよりも、長距離ランナーになった。原付でどこまで行けるか?それから端を発して、今は自分のクルマでどこまで走れるか、っていうのがテーマになっている。早くなくてもイイのね、とにかく遠い所まで行く。辿り着いたらそこがスタート、とは樋口さんの詩のフレーズだけど、そういう旅には、シートを倒せばそこで寝られるクルマが一番なのね。
今のクルマ、大衆車でどこといって変哲のないクルマだけど、ちゃんとバイク時代からの思想は受け継いでいる。本当は車を買い換える時に、軽自動車でもよかったのよ。それまでは軽に乗ってたし。でも、もうミッション車は1500リッターのそれしかない、っていわれたので今のクルマにしただけ。そして、コイツをどこに連れて行ってやろうか?が旅の目的になっている。
でもね、クルマってヤツは、便利だしもう脚の一部なんだけど、正直言うと、ちょっと私にはサイズがデカイ、っていう気がするのね。明日はその辺の話をしようね。
なんてね、把瑠都おめでとう今場所ずっと相撲の話をしなかったのはポリテくんの呪いを信じていたからなんだよ、って言ってみました。何度もガンバレ、とこのブログで言いたかった。でも、オリンピックでバッタバッタと選手が没落していくのはおろか、朝青龍が引退までして、誰も信じていないけど、ポリテくんの呪いを人一倍信じている私としては、何も言えなかったんだよ。でもずっと応援していたんだよ。とにかく、おめでとう、って事で。
それでは今日はこの辺で、ご機嫌よう。