路上でも室内のように物語世界を広げたくて広げたくて、暴力に訴えかけてでも広げたいくらいの気持ちで手に入れた路上用アンプ。ハッキリ言って、相当に重くって、だけど、タクマはこれを気に入っているものだからしょっちゅう稽古場に持参するのだけれど、相当に重くって、肩にはキャリーバッグの後が15センチ幅のキスマークみたいにくっきり残るし、実際、肩掛けがたたって体は傾くしで、みんなは、「もっと小さい、音量は出なくてもポータブル能力のあるやつに買い替えなさい!」と言うけれど、イヤだ!おいらはこのアンプで60になっても路上で詩を読むんだい!と豪語したい。人知れず、大空に向かって豪語したい。

路上でも室内のように物語世界を広げるためのアンプは、

いまでは、

室内でも路上のように物語世界を広げる力を持ってる。
車の音、
道行く人の喧騒、
夜空、
星、
月、
風邪、
寂しい感じ、

などもろもろ、
奏でてくれやがる。
タクマがそれを好きだって知っているから。

そんなこんな、稽古をしています自分の部屋で。