パリへ旅をしたら、行きたい場所はたくさんあるけれど、やはり外せないのはルーヴル美術館!
世界最大級の美術館であり、フランスはもちろん世界中の様々な時代から集められた膨大な数の芸術作品を鑑賞することができます。
今回は、このルーヴル美術館について、豆知識やおすすめコースを交えてご紹介したいと思います
ルーヴル美術館ってどのくらい大きいの?
ルーヴル美術館の敷地において、一般に公開されているのは東京ドームおよそ1.8個分の86,000㎡。ここに約38,000点の芸術作品が公開されています。ひとつの作品を5秒しか鑑賞しないとしても、すべて見終わるのには徹夜で丸2日以上・・
なお、現在公開されている展示物もルーヴルが所有する膨大なコレクション(568,198点!)のほんの一部に過ぎません。気が遠くなってしまう壮大さですよね。
基本情報
まずは訪問にあたって必要な情報についてご紹介します!
こちらのトピックの情報は美術館の公式サイトを参照していますが、2018年4月時点の情報であり、変更の可能性もありますので、訪問の際は事前に公式サイトをご確認くださいね。(公式HP日本語版はこちら)
アクセス
・メトロ:Palais-Royal/Musée du Louvre駅(1・7番線)
・バス:21・24・27・39・48・68・69・72・81・95番
開館スケジュール
・開館日:9時-18時(月・木・土・日)
9時-21時45分(水・金)
・休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
・10月から3月まで、毎月第1日曜日は常設展無料開放。
毎週水・金曜日は、Nocturne(ノクチュルヌ)と呼ばれる夜間営業が行われています。夜の美術館もまた違った趣があって素敵ですよさらに、毎週金曜日の18時以降は、国籍に関わらず26歳未満の方は年齢を照明する身分証の提示により常設展に無料で入場できるとのこと!
また、フランスでは毎月第一日曜日に多くの美術館が無料開放されますが、それを目がけて人が殺到するので、ゆっくり作品を鑑賞したいのであれば、この日は避けた方がいいと思います。
入場料とチケットについて
入場券はその場で購入すると15ユーロ。なお、18歳未満の方は身分証明の提示により無料で入館できます。しかし、年間なんと810万人(2017年)もの人が世界各国から訪れているので、主要入口であるガラスのピラミッドの前には、いつもチケット購入を待つ長蛇の列が・・あまり待ちたくないのであれば、開館前に到着しておくのがおすすめです。
しかし、朝早く起きたくない、列で待ちたくない!という方もいらっしゃると思います。そんな方におすすめなのは事前のオンラインによるチケット購入。訪れる日にちと時間を入力してカード決済にて購入し、PDFのチケットを印刷して持参、という流れになります。17ユーロと少し割高になってしまいますが、旅行の貴重な時間を有効に使いたいのであれば便利な手段。
こちらから購入が可能です
また、パリ観光で複数の美術館をまわる予定があるのならば、様々な美術館や歴史的建造物に入ることのできる2日間のミュージアムパスがおすすめ!こちらは、O'bon Parisのクーポンをご利用いただくとPARIS City VISIONでお得にご購入いただけます店舗から美術館までは歩いてすぐの距離なので、こちらでパスをゲットしてその足で美術館へ・・という行程も可能
なお、美術館入口には以下のように列ごとの色分けがされています。先ほど紹介した時間指定のある前売り券を購入すれば黄色の列から、ミュージアムパスを購入すればオレンジの列から、ぐっと少ない待ち時間でスムーズに入場することができますよ
公式サイトより引用:https://www.louvre.fr/horaires-tarifs-acces/calendrier-d-ouverture-des-salles#tabs
おすすめ鑑賞コース
つづいて、美術館の中身についてご紹介したいと思います!
先ほどお話したとおり、全部を観ようと思ったらとんでもなく時間がかかってしまうルーヴル。しかし、旅行でひとつの場所にそんなに長く時間は割けません・・というわけで、人気のある有名な作品を踏まえたおすすめコースを考えてみました
美術館地図
公式サイトより引用:https://www.louvre.fr/jp/plan
ルーヴル美術館は、ご覧のとおり「コ」の字型になっています。リヴォリ通り側の建物がリシュリュー翼、セーヌ川沿いの建物がドゥノン翼、その二つを繋ぐ中央部分がシュリー翼です。覚えておいてくださいね
ちなみに、美術館へ入場すると、ガラスのピラミッドの下、地下2階のインフォメーションセンターに様々な言語の地図が用意されていますので、訪問の際はこちらを忘れずに手に入れましょう!
ドゥノン翼仏式1階:ヨーロッパ絵画エリア、モナ・リザ
まずは、ドゥノン翼入口のエレベーターでフランス式1階(日本式の2階)へ向かいましょう。こちらは、1250~1850年頃のヨーロッパ及びアメリカの絵画が展示されているエリアです。
ここのイタリア絵画のエリアに飾られているのが「ルーヴル三大貴婦人」と呼ばれる女性のうちの1人、モナ・リザ。たくさんの人々がこの絵をめがけてルーヴルにやってくるので、いつも人だかりが絶えません。
モナ・リザ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、1503年 - 1519年頃
今日もモナ・リザは、たくさんの観光客を前に余裕の微笑み。
こちらのエリアにはモナリザ以外にも、美術や歴史の教科書で目にしたことのあるような有名な作品が数多く並んでいます。
サロメ、ベルナルディーノ・ルイーニ、1480年/1482年頃 - 1532年
洗礼者ヨハネの首を銀の皿にのせるサロメ。オスカーワイルドの戯曲でも有名。
ネッソスに略奪されるデイアネイラ、グイド・レーニ、1617-1621年
ヘラクレス神話の一場面です。
7月28日-民衆を導く自由の女神、ウジェーヌ・ドラクロワ 、1831年
現在も様々なかたちで繰り返しオマージュが捧げられているこちらの作品もこのエリアで見ることができます。
ドゥノン翼仏式1階:古代ギリシア・ローマ美術、サモトラケのニケ
絵画の鑑賞を終えたら、シュリー翼寄りの階段から、古代ギリシア・ローマの芸術作品が展示されているフランス式0階(日本式1階)へ降りていきましょう。
この階段の踊り場に2人目の女性、サモトラケのニケが立っています。堂々とした立ち姿は神々しい美しさで、時間を忘れて見とれてしまいそう
サモトラケのニケ、紀元前190年頃
ギリシア語で勝利の女神を意味する二ケ。サモトラキ島で発掘されたこの像は、紀元前2世紀初頭の海戦の勝利を記念するため、ロードス島民が奉納品として献上したものだと言われているそう。
なお、像も展示場も2年にわたる修復工事を2015年に終えたばかりで、以前にも増した美しい状態を鑑賞することができます。
シュリ―翼仏式0階:古代ギリシア美術、ミロのヴィーナス
ニケの立っている階段を降り切って、シュリ―翼へ向かうとすぐに、3人目の貴婦人、ミロのヴィーナスと対面することができます。
ミロのヴィーナス、前2世紀末
古代ギリシャ及びローマにおいて、それぞれの彫像の顔は非常に似通っており、通常、像のアイデンティティは顔以外の特徴によって、例えば、弓を持っていれば狩猟の女神アルテミス、アンフォラ(壺)を持っていればアルゴス王・ダナオスの娘であるダナイス・・、といった具合に識別されるそうです。
しかし、ミロのヴィーナスはその識別を可能にする部位を失っているため、彼女のアイデンティティは今日も謎のまま。半裸で、女性らしく美しい曲線を描く体型であることから、アフロディーテだったのであるとする説が多くあるそうですが、それを決定づける証拠はありません。
というわけで、ミロのヴィーナスはそのミステリアスな美しさでたくさんの人を魅了し続けているのです
もちろん、ミロのヴィーナスの他にもたくさんのギリシア・ローマの彫像が展示されているので、それぞれがどのような象徴物によって何を表しているのか、観察してみるのもおもしろいと思います
シュリ―翼仏式0・1階:古代エジプト芸術
ヴィーナス像を鑑賞した後そのままシュリ―翼を進んでいくと、紀元前4000年ー紀元前30年頃の貴重な古代エジプトの芸術作品が展示されているエリアへ突入。たくさんの棺が訪問者を出迎えてくれます・・
フランスでは、19世紀はじめに古代エジプトに対する関心が高まったことに伴って、関連する芸術作品が着々と集められてきたのだそうで、これらの多くが現在ルーヴル美術館に展示されています。ちなみに、古代エジプトエリアは0階だけでなく1階にも広がっています。
パリでエジプト芸術、というのも不思議な感じですが、日本ではなかなか観る機会がないので一見の価値ありです!
タニスの大スフィンクス、紀元前2600年頃
日本でも有名なエジプトの怪物、スフィンクス。こちらはエジプト国外で保存されているスフィンクス像のうち、最も大きいもののうちのひとつなのだそう。
今から4000年以上も前につくられた作品の前に立つと、なんだか厳かな気持ちに・・
ホルス神の彫像、前1069-前664年
ハヤブサの頭を持ったエジプトの神、ホルス。かつては金で上塗りされ、もっと大きな作品の一部だったのだそう。
シュリー翼地下1階:要塞跡
ここまでご紹介してきた古代エジプトの展示場の下で、あまり世間には知られていないルーヴル美術館の歴史を見ることができます。
元々、12世紀にカペー朝の王フィリップ2世によってパリを守る要塞として建てられたのがルーヴルの歴史の始まり。
この要塞の名残が、ここシュリ―翼の地下1階に展示されています。偉大な美術館を支え続ける基盤です。
リシュリュー翼仏式0階:古代オリエント美術、ハンムラビ法典
バビロンの王のハンムラビ法典、紀元前1792-1750年
要塞の見学を終えて再び0階へ上がり、古代エジプトの展示エリアを北に進んでいくと、リシュリュー翼の古代オリエント美術のエリアへとたどり着きます。
ここでは、世界史の教科書にも載っている、かの有名なハンムラビ法典を見ることができます。「目には目を、歯には歯を」のあれです。
リシュリュー翼仏式1階:ヨーロッパ装飾美術
古代オリエント美術を鑑賞した後は、そのままリシュリュー翼の1階(日本式2階)へ上がりましょう。雰囲気がガラリと変わって、目の前にはお城の晩餐会のような光景が・・
ここは、ヨーロッパの装飾美術が展示されているエリアで、多くの展示物はかつてフランス王室の所有物であったものだそうです。きらきらです。
ドゥノン翼仏式1階:ヨーロッパ装飾美術、アポロンギャラリー
なお、ヨーロッパの装飾美術のエリアは、シュリ―翼、ドゥノン翼の一部にも及びます。少し戻らなくてはならないのですが、ドゥノン翼のサモトラケのニケのすぐそばにある、66番展示室もぜひご覧いただきたい場所のひとつ。アポロンギャラリーと呼ばれるこちらには、ルイ15世の王冠が展示されています。これでもか!という感じに宝石がちりばめられていて、まばゆい光を放っています
・・・
以上、O'bon Parisのおすすめ鑑賞コースでした!
開館の朝9時から始めるとしたら、昼食には十分間に合うように鑑賞を終えられる行程になっていると思います
ただし、ルーヴルは再入場も可能なので、じっくりゆっくり鑑賞したいという方は、一度外に出て昼食をとってから午後再び戻ってくることもできますよ
とにかく広くて作品数が膨大なルーヴル。素晴らしい美術館ですが、体力の消耗も激しい・・なので、ルーヴルを訪問する日はあまり予定を詰め込まず、体力があって元気な状態で訪問することをおすすめします。
また、パリ一番の観光地でもあるので、残念ながらスリがうろついていることもあります。楽しい旅行が台無しになってしまわないよう、カバンはしっかり口の閉まるものを選びリュックを避ける(背負うと見えないので)、財布や携帯を外でむやみに取り出さない、などの対策をして、貴重品の管理には十分ご注意くださいね。
皆さまのルーヴル観光が充実したものになりますように
それでは à bientôt!
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