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押入れを片付けていたら、こんな手作りのバッグが出てきた。
これは数年前に 遠くに引越しする娘から預かってたけど、
私の実家の母(娘にすれば祖母)が、娘にプレゼントしてくれたものだ。
「何でこんな地味なバッグを
」と
思うかもしれないけど、ちょっと事情があってね。
数年前のことだが、突然、実家の母が入院したとの連絡を受けて
急きょ、旦那と娘とお見舞いに駆けつけた。
実家のある港町までは車で3時間。 梅雨の肌寒い日だった。
母の病室で 娘が結婚の報告をすると
母はとても喜んでくれて 「今度は3人で来うよ」と。
そして何かお祝いをと考えたらしく、
枕元にあったこのバッグを娘に手渡してくれた。
その時はちょっと内臓が弱っているだけで
治療すれば また元気な母に逢えると思っていたけど
娘は 母が生きているうちに 「3人で行く」ことは叶わなかった。
このバッグは誰が作ったんだろうな。
娘が 「ばあちゃんが作ったの
」と聞いた時、
うなずいたような気もするけど
晩年は緑内障で左目がほとんど見えなくなっていたから
ひょっとしたら、ほかの人が作ったのかも。